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ショート*ストーリー

「玲……あの人のこと、好きなの?」

「……好きだって言ったら、どうなんだよ?」

玲はかなりイライラしてるみたいだ。でも…

「どうって……俺、あの人を殺しちゃうかもしれないよ」

玲が誰かを好きなんて考えたくない。男だからって我慢してるのに、玲の好きな人が男だったら、俺おかしくなっちゃうかも…

「……好きじゃねぇよ。日比谷さんのことも、お前のことも」
さすが玲……俺を喜ばせておいて、ちゃっかり傷つける一言も忘れない…

「……わかってるけど、俺は玲が好きだよ。どうしたら玲が笑ってくれるか毎日考えてるし、ずっと玲のそばにいたいって思ってる…」

「お前っ……赤坂の前でなんてこと言ってんだよ!!」

焦る玲に赤坂が冷静に説明した。
「いいよ玲、腐るほど聞いてるから」

俺のノロケって腐ってたの!?
玲はため息をついてどんよりした空気を払うかのように俺を殴った。

……痛い…

「ったく……赤坂に迷惑かけんなよ……日比谷さんにも!!」

「また日比谷を庇うの!?俺は玲しか見えないんだもん!!」

「またそうやって……お前がそういうとこ直さねぇ限り俺はぜってぇお前のこと好きになんねぇ!!」

「そういうとこってどういうとこ!?」

「俺にばっかベタベタして周りが見えてねぇとこだよ!!
ついでに言うと俺より遥かに身長高くて顔も良いくせに女々しい言葉遣いなとこも気に入らねぇ!!」

「じゃあそこを直したら俺のこと好きになってくれるんだね!?」

「……は!?」

玲……やっぱり俺に可能性あったんだね!!
しかも2つ悪いとこ直すだけで良いなんて、もう一息だったんだ。
なんだ、玲……俺、嬉しい。
もう少しで俺たち結ばれるんだね…

ニマニマと笑っていると玲の血管が切れるような音がした。

「そういう意味じゃねぇよ……一生妄想してろ!!」

玲はそのまま教室を出ていく。
今度は玲の暴力はなかった。
あれ……?
玲からの愛のムチがないってことは…

「玲……怒ってる?」

「いつも怒ってるけど……まぁ、今回は特にキレてんな」

……な、なんてことだ!!
だって玲、俺のこと…

「……赤坂ぁ……俺、玲の気持ちが全然わかんないよ…」

「俺はお前の方がわかんないけど……お前なんで玲のことになると思考がそんなブッ飛んじゃうんだよ?」

赤坂が呆れ笑いしながら俺に言う。
それはだって…
玲はいっつも怒ってばっかで俺の気持ちに少しも答えてくれないから。
少しでも良い方に考えて玲と結ばれるチャンスを逃したくないから。
何より…

焦るんだ。玲が、綺麗すぎるから…

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