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ショート*ストーリー

その時、教室のドアが開いた。

「赤坂ー、こんな奴と何話してんだ?」

「玲っ!!授業じゃなかったの?」

「休講になった」

……な、なんてラッキーなんだ……!!
早速俺は玲の誕生日に予約をいれることにした。
こういうイベントは進展させる絶好のチャンスだもんね!!

「玲っ来週の日曜空いてる?」

「バイト」

……えー!?
自分の誕生日にバイト入れるって何!?
バカなの!?いやバカじゃないし!!
俺の玲はバカじゃないし!!

「そ……その日のご飯何が良い?」

「はぁ?なんでそんな先の希望出さなきゃいけねーんだよ」

玲は怪訝な顔で俺を見つめた。

え……わかんないの?
玲、自分の誕生日忘れちゃったのかな。

「とっとにかく……その日は寄り道しないで帰ってきてね!!」

「寄り道はしねぇけど……なんでそんなこと聞くんだよ?」

「……ひ、秘密っ!!」

玲がそこまでド忘れしてるなら、いっそサプライズにしてあげなくちゃ!!
ケーキ焼いて、プレゼント渡して…
デートは諦めるしかないか。
俺もう2、3個デートプラン考えてたのに……結構ショック。

「玲、電話鳴ってるぞ?」

落ち込んでいると赤坂が玲に声をかけた。玲は携帯を取り出すと、赤坂に礼を言って玲は電話に出た。

「もしもし日比谷さん?今ですか?隣の教室ですけど……え、今から?」

……日比谷って誰?
知らない名前に胸がザワついた。
赤坂に目線で「知ってる?」と問い掛けると、赤坂は肩をすくめた。

「いや、俺が……あ、そうですか?じゃあ…」

玲は電話を切ると俺と赤坂の方を見た。
「悪い、今から先輩が来るけどいいか?」

「俺は良いよ〜」と赤坂。
「先輩って!?男!?どういう関係!?玲の何!?」
矢継ぎ早に尋ねると玲に頭をはたかれた。

「うるせぇっ!!バイト先の先輩だよ。経済の3年」

バイト先の先輩……?
何それ、バイト先も大学も玲と一緒なんて、ムカつく!!
玲に1番近い存在は、俺なのに…

「玲くん」

しょんぼりしていると、ドアを開けて教室に男が入ってきた。
結構背が高くて(俺の方が高いけど!!)、黒髪に黒ブチ眼鏡のオシャレ系。
こいつが日比谷か…

「日比谷さん!!わざわざすいません」

「いやいや、友達と一緒だったんだね。邪魔だった?」

「大丈夫ですよ。それより、雑誌ありがとうございます」

玲と日比谷の会話が続く。
ちょっと玲さん……仲良すぎるんじゃない!?
それにその態度……俺にはもっと冷たいじゃん。
玲の冷たい態度は愛情の裏返しっていうか流行りの言葉を使うと『ツンデレ』ってやつだから別にいいんだけど!!
でも……いくらなんでもさ…

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