ショート*ストーリー
Yuzuki-4
『朝日は、俺のこと好き?』
ただの、親友だったのに。
いつの間にか朝日のキスの虜になって、朝日がいないと何もできない自分に気が付いた。
俺は、きっと朝日が好き。
好きな人には、好きになってほしいと思うのが、当たり前のはずだ。
『好きだから……心配すんな』
それなのに、100%の喜びじゃなかった。
あと1%、何かが足りない。
嬉しいはずなのに…
やっぱり、朝日に言われた通り服を脱いでおいて良かったな…
上半身にかかった自分の精液を見て、不快になった。
朝日のなら良かったのに…
朝日は冷静にティッシュで自分の性器を拭いてる。
あぁ、なんか、かっこいい…
朝日を好きになる女の子の気持ちがよくわかる。
さっきまで、俺の中で朝日のおちんちんが動いてたと思うと、まだ信じられない。
まさかとは思うけど、朝日が本当は後悔してたらどうしよう…
「朝日……俺たちこんな……良いのかな…」
そう言うと朝日は「今さらどうにもなんねーだろ」と言ってくれた。
「それに……お前は何も考えずに俺の言うことを聞いてればいいんだよ」
……あ、なんか今の一言、嬉しい。
こんな言葉に喜んでしまうなんて、俺おかしくなっちゃったんだな…
普通は喜ぶべき言葉じゃない気がする。
なんだろう。俺のこの気持ちはなんだろう。『好き』に少し何かが混じってるのは確かなのに…
「……朝日も、俺のこと好きなんだよね?」
自分の気持ちを探るために朝日に問い掛けた。
朝日は少しためらって答える。
「あぁ…」
朝日の答えはさっきと同じ。そりゃそうか…
と思っていたら、また「ユズ」と呼び掛けられた。
「何?」
「ただ、忘れるなよ……この先俺がユズを嫌いになっても、絶対にお前は俺のことを好きでいろ」
朝日の声と表情から、冗談じゃないってことが伝わる。
そうか、俺も、こういうことか…
朝日。俺たちみたいな関係をなんていうのかわからないけど、俺たちは最高の組み合わせなんじゃないかな。
「……朝日」
「何だよ」
「朝日は、俺のこと好きじゃなくてもいいよ」
「……どういう意味?」
「今の俺にとって一番の幸せは、朝日に愛されることじゃない……朝日の命令に従うこと、だから」
もう嘘はつかない。
これが唯一で絶対の、真実だ。
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