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ショート*ストーリー
Asahi-4
夢のような、苦いひととき。
溶け合って混ざりあって、お互いの全てを束縛したい。

快感が満たされれば良いと思ってた今までの行為が、嘘みたいに思えた。

堕とすことは、手に入れることは、支配することだ。
肌を触って、恥ずかしい思いをさせて、俺に依存させたい。

支配欲が満たされてく。
そしてこの優越感。これが、たまらない。

「あ、朝日っ……!!ホントに、朝日のおちんちんが、入ってきてるの……?」

さっきそう言っただろーが…
痛みと快感の、せめぎ合いだ。
幸福も興奮も通り越した。俺の心を占めてるのは、優越感だけだ。

「朝日……嬉しいっ…」

その前に痛いだろ?
こいつ、さっきから嘘ばっかだな…

「ユズ、本当に嬉しいのか?」

性器をうずめたまま尋ねるとユズが俺から目を逸らした。

「……朝日は、俺のこと好き?」

ユズから返ってきたのは、答えじゃなくて質問。そんなこと気にしてたのか…

「……好きだから……心配すんな」

……あぁ、やっぱり俺も嘘つきだ。
ユズ、お前を好きなんてもんじゃない。お前が欲しい。俺だけのものにしたい。
ただそれだけだ。

「俺も……好き、朝日っ……あっ……ふえっ…」

会話に嫌気がさした俺は、予告もなく腰を振り始めた。
ユズの中は思ったより気持ち良くて、気を付けてないとイってしまいそうで怖い。

「あ……気持ち良いっ……朝日の、おちんちんも、気持ち良い……?」

「ユズ……煽んな」

「あお……?俺、ただ……セックス、気持ち良いからっ……あ、出るっ…」

ユズがまた射精した。
それを見て俺の性器に熱がこもる。ユズのくせに……俺を煽るな。
ヤバい。イくかも…

「……ユズ、出る…」

「あ、さひっ……?出るの、せい、えきっ……あっ……ん…」

俺は思い切り腰を打ち付けて精液を放った。
たぶんユズは、自分の体内に他人の精液が注がれるってことがわかってなかったと思う。



「朝日……俺たちこんな……良いのかな…」

大きく息を吐きながらユズが呟いた。
今さらどうにもなんねーだろ…
それに、お前は何も考えずに俺の言うことを聞いてればいいんだ。

ユズにそう言ってやると黙って頷いた。

「……朝日も、俺のこと好きなんだよね?」

またそれか…
「あぁ」と頷いた後、俺は急にかぶりを振った。
違う。もっと正確に、言ってやらなくちゃ…

「……ユズ」

「何?」

「ただ、忘れるなよ……この先俺がユズを嫌いになっても、絶対にお前は俺のことを好きでいろ」



もう嘘はつかない。
これが唯一で絶対の、真実だ。

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あきゅろす。
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