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ショート*ストーリー
Yuzuki-1
「ん……朝日…」

朝日が俺の肩を掴む。
その手から伝わる温もりに、俺は最高の幸せを感じた。

一度唇を離して、朝日はまたキスを始める。
いつも通りの動き。ひどく安心する…

こうして俺の部屋でキスすることが習慣になって、改めて思う。
『たぶん、これはいけないことなんじゃないか』って。

だけど朝日はやめないし、もちろん俺だってやめてほしくない。
むしろ、朝日が俺の家に来ると『早くキスの時間にならないかな』とそわそわしてしまう。
朝日が『キスするか』と言ってくれるのは帰り際だからだ。

「ん……あっ…」

呼吸が苦しくなってきた…
と思ったら、朝日が口を離してくれた。

「ユズ、大丈夫か?」

朝日は相変わらず優しい。

俺が頷くと朝日は時計に目をやった。
その動作を見て俺は落ち込んでしまう。
だって……朝日はもう帰っちゃうから。

「……ユズ、明日また学校でな」

そう言われて、落ち込むと同時に少しだけドキドキした。
明日にはまたいつも通り、俺たちは親友同士。
こうやって朝日が俺の家に来た時だけ秘密でキスをする。
そのギャップが俺はすごく好きなんだ。

朝日が階段を降りたのを耳で確認して、俺は一度座り直した。
履いているズボンのファスナーを下ろして、ため息をつく。

周りに訊いたことがないからわからないけど、俺は一人でするのが苦手な方だと思う。
とにかく、好き好んでやろうと思えることじゃなかった。

それが今はどうだろう。
朝日が帰った後にしてしまう。その日の夜、朝日のキスを思い出しながらもう一度してしまう。
いつの間にか習慣になってしまった。

今日に至っては、キスをしてる時から俺の体は自慰を待ち望んでいた。
俺は早速硬くなった自分自身を握ってしごき始める。

「ん……あさ、ひっ……あぁっ…」

朝日の名前を呼びながら、手を動かしていく。
こんなことしてる自分が、本当はひどく恥ずかしい。朝日に知られたら絶対嫌われる……それなのに、俺の手は止まることを知らない。

早く、イきたい…
射精に向けて一気に動きを速めていた、その時だった。

「ユズ」

朝日の声が聞こえた瞬間、頭が真っ白になった。
何も考えられないけど、体は自然と動いてくれる。

俺はゆっくり振り返って、朝日の名前を呼んだ。

「なんでここに……?」

そう尋ねると、朝日は俺の目をまっすぐ見据えて言った。

「携帯を忘れたから……っていうのは口実で、ユズのオナニー覗きにきた」

『オナニー』というストレートな表現で言われて、体が熱くなった。
どうしよう、朝日に……嫌われてしまった。

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あきゅろす。
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