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ショート*ストーリー
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1日ぶりなのに、ひどく懐かしい気がする。
玄関の前で、書いた手紙をもう一度読み直した。



綾瀬 玲サマ
先週は、本当にごめんなさい。
酔った玲とセックスするなんて、最低だったと思います。
言い訳になるけど、俺はただヤりたくて玲とヤったわけじゃないです。
俺はずっと玲が大好きでした。
毒舌で暴力的だけど本当は優しいところとか、俺の作った料理を残さず食べてくれるところとか、玲の全部が大好きでした。
玲は忘れちゃったけど、玲のエロいあえぎ声は一生忘れません。
本当にすみませんでした。
湯島 湊



うん、大丈夫だよね!!
俺の反省の気持ちもよーく伝わるはず。

俺は堂々と郵便受けに手紙を投函する。
夕方頃にはチェックするはずだよな、玲…

俺はひとまず家に帰って、ひたすら玲からの連絡を待った。
俺の予想では、夜には連絡が来るはずだ。
玲、許してくれるといいな…



「お兄ちゃん、起きなよ!!」

「うえっ!?」

気が付いたら寝ていたらしい。
妹に叩き起こされた。
俺こんなんばっかりだな…

「もう、夜なの?」

「はぁ?何言ってんの、もう朝だよ!!」

朝ぁ!?
窓を見ると、外は薄明るい。
慌てて携帯を見ると、メールマークも着信マークも……一切無し。

玲……連絡、くれなかったんだ…

「うっ……うぅ…」

「お兄ちゃん!?いい歳して何泣いてんの!!」

妹のツッコミもお構い無しに、俺は泣き続けた。
玲、玲……会いたい。玲に、会いたい…

「うるさいなぁ……ちょっと、お兄ちゃん!?電話鳴ってる!!」

『電話』という単語を耳にして、瞬時に飛び付いた。発信者も見ずに通話ボタンを押す。

「もしもしっ!?」

「朝メシ、2分以内に準備しろ。オーバーしたら刺し殺す」

それだけで、電話は切れてしまった。
それでも……玲の声だった。
玲が、今、俺に、電話を…

「……って、2分!?」
今、俺実家!!
玲の家まで20分はかかるんだけど…

でも、行かなきゃ。
玲が、待ってるんだから…
「お兄ちゃん!?」

「悪い、朝メシ作りに行ってくる!!」

それだけ言うと、俺は家を飛び出して玲の家に向かった。

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