ショート*ストーリー
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「イノリくん、キス上手だね」
「自分が下手っていう発想はないんだね。紺に負けず劣らず朔ちゃんも面白い人間だよ」
……失礼な。
だって、本当に上手かったし。ノゾミくんもこんなに上手いのかな?意外だ…
なんて考えていると、イノリくんの手が俺の下半身に伸びてきた。
「な……何?」
「いやいや、こんな中途半端で終わらせるわけにはいかないから」
そう言いながら器用に俺のベルトを外す。
俺を座らせたままイノリくんは立ち上がって、俺の前に来た。
イノリくんは俺の傍に手をついて、俺のズボンのチャックを下ろす。
ヤバい、急に緊張してきた!!
つーか今、授業中じゃんね。ここ図書室だし……あ、最高のシチュエーションなのか?
とにかく…
イノリくんは、ノゾミくんみたいに鳴いてくれるのかな。
そこ重要なんだけど。
「……あんたは脱がないの?」
下着に手を差し込んで、俺のモノを取り出したイノリくんに尋ねる。
「……お願いされたら脱ぐ、かな」
イノリくんは意味深な口振りで答える。
そ……そういうもんなの?
ちゃんとこれ王道の流れなの?
「うわぁっ!?」
思わず大声を出してしまった。
だってイノリくんが、いきなり俺のを思い切り掴むから…
「ごめんごめん」
イノリくんは軽く謝ると、触れているだけくらいの力で俺のモノをしごきはじめた。
加減を知らない男だな…
と言いつつ、イノリくんの絶妙な手の動きに俺のモノは少しずつ反応し始める。
「気持ちいいの?朔ちゃん」
俺は答えることができなかった。自分の平常心を保つことで精一杯だったからだ。
そこらの女より上手いって、こいつ…
それでも、呼吸が荒くなるのを止めることはできない。
どうしよう。
今さらだけど、すげぇ嫌な予感…
「はぁっ……い、のりくん…」
「イノリで良いよ」
そんな話してる場合じゃない。
すげぇ気持ちいい。なんかいつの間にビンビンになってるし…
「や……もう、良い……から…」
俺がそう言うと、イノリくんはまたにっこりと笑った。
「なんで?1回出しちゃえよー」
だんだん手の動きを速めるイノリくん。
ダメだって、俺、もう…
「やめろっつってんじゃんか……やめてよ…」
「……イきそう?」
なっ…
「違……イノリくんっ……は、あっ…」
「イノリで良いって……人の話聞いてた?」
どうでもいいだろそんなの…
「わかったから……やめろ…」
途切れる声で頼むと、今までのイノリくんとは全然違う、ものすごい低い声が返ってきた。
「わかったじゃねぇよ、呼べ。呼んだらやめてやるよ」
だ……誰だよこいつ!?
急に豹変しやがって…
もはやノゾミくんの要素0じゃんか……!!
俺が『イノリ』と言おうとすると、イノリくんが更に手の動きを速めてきた。
「やっ……あ、あぁっ!!」
頭が真っ白になる感覚がして、ガクンと力が抜けた。
「あーあ……朔ちゃんが俺のこと呼び捨てしてくれないからっ」
目の前には明るく笑うイノリさ…
イノリ。
手には俺が出した精液が付いてる。
うわ、きたな…
それより…
さっきの低い声は?……幻聴?
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