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ショート*ストーリー
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運の悪いことに、兄貴がまだ風呂に入っていると言うのに電話が鳴った。

ダメって言われたから初めはシカトしていたけど、うるさくって仕方ない。

出ちゃおうかな…

正直言うと、すごいノゾミくんに興味が湧いてる。
さっきまで、俺にとってノゾミくんは『変人兄貴と友達やってるお人好し』だったけど今は『兄貴の恋人』だ。

それに、あの喘ぎ声…
あー、話したい!!

「もしもし、ノゾミくん?」

「あ……朔くん」

電話の相手はやっぱりノゾミくんだった。

「兄貴風呂入ってるからさ、ちょっと待っててよ」

「えっと……掛け直した方が良いかな?」

「……いや、えっと…」

沈黙。

どうしよう……まさか『兄貴のどこが好きなの?』とは聞けないし。
適当に「あの」とか「えっと」とか言って繋いでたら、ノゾミくんの方から話題を提供してくれた。

「あのさ、ずっと言いたかったんだけど……朔くんの高校に俺の兄がいるんだよ」

「あ……兄?」

ノゾミくんは兄貴と同じ高3。
ってことは…

「双子なんだ、俺たち」

「えぇぇええ!!」

ノゾミくんが……双子!?
全然知らなかった…

「じゃあ俺の高校に片割れがいるんだ!!」

「うん。だから何って話だから、今まで言えなくて…」

「そんな、教えてくれてありがとう!!明日、探してみる」

「いいよ!!あんまり似てないし、無礼な奴だから…」

ノゾミくんに何と言われようと俺はすっかり明日ノゾミくんの片割れを探す気だった。
ノゾミくんの片割れ、どんな人なんかなぁ…

その時、お風呂のドアが開く音がした。

「あ、兄貴出たみたいだから……呼んでくる」

ノゾミくんともう話せないのは残念だったけど、いいやと思えるくらい嬉しい情報を手に入れた。

俺の高校にいる、ノゾミくんの片割れ。
会いに行くしか、ないだろう!!

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