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ショート*ストーリー
..
「あぁ、でも今ので納得いったわ。」
祈が思いついたように言う。
「アイツが急に予備校とか通いだしたわけ。紺の方が頭いいもんなぁ?」

え、それは初耳だった。
「ちなみに兄貴、どこ狙ってんの?」

「えっと……東京の、大学」
「……いっぱいあるけど」
「うーん……東京、大学」

……東大かよ。
俺は成績不振で課題出されてるっつーのに、兄貴は東大…

「……いの、り」

「なんだよ?紺」
祈が面倒そうに答える。

「ノゾミ、は……東大、行け……ないの?」

「アイツそこまで頭良くねぇと思うけど」

兄貴が俯いて何か考えてる。
まさかアンタ、東大なんて行こうと思えば誰でも行けると思ってんのか……?

「ノゾミくん東大目指すために予備校入ったんじゃないのー?」
助け船を出してやると兄貴が「そうな、の?」と祈に尋ねる。

「ノゾミのことを俺に聞くな。知らねえよそんなの……本人に聞けば?」

今、家にいるし。
祈がそう言うと、兄貴は階段をかけ降りていった。

なんか…
「俺たち、すげぇ良い脇役じゃんね?」
祈の言うとおりだ。

「……朔ちゃん」

「なに……うわぁっ!?」

「じゃあ、俺らはさっきの続きといこうか?」

あっという間に、祈に押し倒されてしまった。なんでこうなるんだよ…
「祈、やだ……俺、もうアンタとは…」

「ダメ。俺もうすげぇ興奮しちゃった。朔ちゃんがたくさん嫌がってくれたから…」

「はぁ?」

「この前、図書館で抜いてあげた時。朔ちゃんあんま嫌がってくれなかったじゃん?俺ショックでさー」
祈は平然と言う。
嫌がる嫌がらないとか……そういう問題なのか!?

「つーか、嫌がってるよいつも!!アンタがやめてくれないだけだろ!!」

「俺は嫌がる朔ちゃんをイジめるのが好きなの」

「……じゃあ、その為だけにノゾミくんのフリして……?」

「楽しかったよ、朔ちゃん。まさか、俺に助けを求めてくれるとは思わなかった」

「そっ…」
それは言うな!!

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あきゅろす。
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