メイクビリーブ
おまけ
昨日のリュウくんは、一体なんだったんだろう。
電話して『そろそろ１限来ないと危ないよ』って教えてあげたのに、『行かない』とか言うし。
急に『誰でもいいからボコボコにしたい。誰か連れてこい』とか言いだすし。
おっきいぬいぐるみとか買えばいいのに。
そんで、俺は生まれて初めてリュウの弱音を聞いた。
「俺……頭おかしくなったかも」
「はぁ？」
「チカラのこと、困らせてばっかりだ…」
何を今さら。それを覚悟で付き合ってるんだと思ってたよ。
「なんかリュウらしくないねぇ」
「今までみたいに、いかねぇ……暴走してばっかりだ」
今までの恋愛が淡白すぎたんだよ…
あんた女がちょっとでもワガママ言おうもんならすぐ捨ててただろ。
「リュウくん、それが恋だよ」
俺が真理を説いてやったのに、リュウは呆れたようにため息をついた。
「とにかく……今はケンカがしてぇ。このままだと発狂する」
そう言うとリュウは突然電話を切ってしまった。
勝手な奴め…
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