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メイクビリーブ
..☆
「わぁ!!チカラさん、こんなにかっこよくて頼りがいのある恋人がいたんですね!!素敵です!!」

あ、俺って夏樹に弱いのかも。
夏樹の反応を見て『東郷リュウと付き合う』という事実をやっとほんっの少し受け入れられた。

それに夏樹、男同士に偏見ないんだな。俺も考えを改めよ…
いやでも、俺が東郷先輩のこと好きじゃない事実は変わんないけど!!

大体東郷先輩も俺のこと好きじゃないじゃん。
なのに付き合うの?イジメ?

あ、俺もしかして東郷先輩が機嫌悪い日のサンドバックになるのか!?
もしかしてセフレ!?
あぁあ、東郷先輩はノーマルって噂ウソだったんだ…

「中谷、聞いてんのか」
気付けば、目の前に東郷先輩の顔。

「ごめんなさい聞いてません!!」
やべ、話しかけられてたんだ…
東郷先輩はため息をついた。
「携帯貸せ。俺の連絡先いれとくから」

……断れるわけないよなぁ、付き合うんだし…
渡した携帯は東郷先輩の電話番号とメールアドレスが登録されて返ってきた。

「……メールでも電話でも、シカトすんなよ。
しようもんなら、すぐにそこの転校生昨日の奴らに突き出すからな」

お、脅しじゃないか!!しかも夏樹を使うなんて…

ていうか。
「質問いいですか?」

「何」と東郷先輩。
「恋人って……どこまでするんですか?」

キスとかしちゃうの?
俺も嫌だけど東郷先輩だって俺みたいなんと嫌でしょ。

東郷先輩はしばらく黙り込んだかと思うと…
自分の教室の方向に歩いていってしまった。

首を傾げる俺を横目に、黒坂先輩がニヤニヤしながら東郷先輩を追い掛ける。

シカトかよ!!
自分勝手な人だなぁ…
仕方なく俺も夏樹と教室に帰る。
昨日と今朝絡んできた中にクラスメイトはいなかったから、変な視線を向けられることもなかった。

授業が始まる直前に、携帯が鳴った。メールが来たみたいだ。
開いてみると、差出人に東郷リュウの名前。

『さっきの質問、行動で答えてやるから覚悟しとけ』

……俺、すごいマズい質問をしちゃったのかもしれない。

シカトはできないから、なんて返信するか悩んでいるとまたメール。
急いで開けると差出人もまた東郷先輩。

『あと、昼休み昼メシ持って屋上来い』

なんだこれ。
もしかして本物の恋人よろしく一緒に昼食とりましょうってこと?
一緒に昼食は良いけど、夏樹が1人になるじゃんか。昨日は夏樹と2人で食ったし。

『夏樹も一緒じゃダメですか?』
って打って送信しようとしたら……また東郷先輩からメール。
もう!!言いたいことは一度にまとめろよ!!

『仕方ねぇから転校生も連れてこい。何度もメールして悪かったな』

……なんだ、わかってくれてるんじゃん。
わかりましたと返信をして、携帯を閉じる。
しばらくしてまた、最後のメールをもう一度読み直した。

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