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メイクビリーブ
..☆
「かっこいいし、背高いし、強いし……東郷先輩みたいな男になりたかった。いや無理ですけどね」
俺の話に東郷先輩は眉をひそめたまま頷く。

「俺を助けに来てくれる時なんて、ヒーローみたいで本当かっこよくて……本当に嬉しかった。
俺のヒーローなんだなぁって…」
よく考えたらダサいよな、俺。

「だから、先輩が俺のために強くなったんだって知った時は、もっと嬉しくて…」

だからこれからもそういう関係でいいんだよな……うん、そうだ。
なんか話してる間に答え出ちゃったよ。

「そういうわけで……東郷先輩にはこれからも俺のヒーローでいてほしいです。ずっと」

告白の返事にたどり着いたことに気付いた東郷先輩はしばらく放心したように地面を見つめていた。

「……ダメだ」

は?

「今の返事は無し。もう一回やり直せ」

「いや、だから俺は…」

「そんな曖昧な返事があるかよ!?フるわけでもなく付き合うわけでもなく……どっちかにしろ!!」

えー!?
確かに曖昧だけど、そんな怒られなくちゃいけないのか!?

「ヒーローでいるってなんだよ!?そりゃお前のことはこれからも守るけど……俺はお前のターミネーターじゃねぇんだよ!!」

ちょっと面白くなってきた。笑っちゃダメだチカラ……頑張れ。
そんなことを考えていたら、急に東郷先輩の匂いに包まれた。

「東郷先輩?」
強く抱きしめられてしゃべりづらい。

「……もう、離したくない……チカラが、自分から俺に会いに来たんだ。こんな奇跡、二度とない…」

大げさな…
なんかちょっとずつ、東郷先輩が可愛く思えてきた。

「……東郷先輩が、電話くれないから仕方なく来たんですよ」

「それは……怖かったから。チカラは仕方なく付き合ってくれてるだけなのに、俺はどんどんチカラに欲情していくのが、怖くて…」

「……い、今更…」

「これから一生、あの留守電に入ってたメッセージをオカズに生きていこうと思ってたのに…」

そんなこと考えてたのか!!
相変わらず変態…

「でもダメだ……もう一回お前の顔見たから、ダメだ。離さない」
なんて勝手な男だ。

でも、このまま一生離してくれないなら、どっちにしろ同じか…
「あー……わかりました、から」

「何がだよ」

「とりあえず今は離して下さい」

「……返事は?」

「いやだから、何言っても離してくれないわけでしょう。俺を」

「……中谷…」

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あきゅろす。
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