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メイクビリーブ
...☆
「中学の時さぁ…ふふっ」
突然黒坂先輩が笑いだす。
人が真剣な時にっ……!!
「あぁ、ごめん。
考えらんないと思うけど、リュウ超弱くて、どっちかってーとイジメられてたんだよ。
無視とか、からかわれたりとか」

……は?
なんの冗談デスカ?あの東郷リュウをイジメるバカなんて存在すんの?
「まぁ妬むには格好の対象だからね、リュウ。んで無口だし」
あぁ、なんとなく予想できる。背高くてかっこいいけど何も喋んない男。ムカつくかも。

そういえば東郷先輩の家に泊まった時、先輩の中学時代について聞いたら『別に普通』って返されたな……聞かれたくなかったのか。

「そんでなんか、リュウも『好きで背高いわけじゃねぇのにクスン』って思ってたんだって。
そんな時、リュウを救ったのが……中谷、お前だったんだ」

黒坂先輩がかっこつけて俺を指差す。
俺、なんもしてないどころか……中学時代は東郷先輩とまだ出会ってもない。

「まぁ何をしたってことでもないんだけどさ……たぶんお前バレー部の練習試合でうちに来たんだよ。
なんでか忘れたけどリュウとお前はすれ違ったんだって。
その時お前が……なんか友達に『背高くてうらやましい』だの『俺もああなりたい』だの言ったらしい」

必死に記憶を辿ったけど、思い出せなかった。
練習試合で行ったことはあると思う。だけどそんなこと言ったっけ?

「その言葉を聞いて、リュウはバカだから『もっとあいつが憧れてくれるような男になりたい』って思ったらしい。
そんでケンカを覚えたら、すぐに強くなったんだよね〜」

「……まさか」

思い出してみると、確かに前に言ってた。
ケンカが強い理由は『頑張ったから』。
俺のためだったのか…

本当にバカだな。バレー部員としてうらやましいって言っただけだろ。バレーやってる人間なら誰でも思うよ。
それなのに…

「変な方向に強くなったリュウは不良ばっかのこの高校に来た。ついでに俺もね。
そしたらなんと!!1年遅れて……中谷、お前が来た」

喜んでたなぁ〜、と懐かしむ黒坂先輩。
俺がこの学校に入学した時から、東郷先輩は俺を知ってたんだ…

「中谷の姿を見る度にリュウは『チカラがいる』ってうるさかったから、俺はそれが恋だよって教えてあげた。
まぁ知っての通り、俺は恋愛に男女は関係しない人ですから…
でもリュウは『気持ち悪い、お前と一緒にすんな』って認めなかった」

「あれ?でも東郷先輩は…」
『俺と付き合え』って…
あれはどう説明を?と考えていたら、黒坂先輩はおかしそうに笑った。

「中谷、答えは簡単だろ?」

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あきゅろす。
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