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メイクビリーブ
..☆
「く……ろさか先輩!!」
夏樹に声をかけたのは黒坂先輩だった。
「久しぶりだなー。元気だったか?」
黒坂先輩はあっけらかんとした態度。

「黒坂先輩……東郷先輩は?」

「最近……ていうか、中谷と別れた日の前日から来てない」

1週間以上来てないのか…

「なんでですか?」
夏樹が聞くと『知らない』と即答された。
「まぁ俺の予想でいいなら……ケンカしてる。もう荒れちゃって荒れちゃって」

東郷先輩……まだケンカしてるんだ。あの時のケガ、ちゃんと全部治ったのかな…

「俺……東郷先輩に言いたいことがあるんですけど」

黒坂先輩は目を丸くした。
「中谷が?……うーん、電話してみよっか」
電話という言葉にドキリとする。
俺がかけても出なかったけど、黒坂先輩なら出るのかな…

黒坂先輩はポケットから携帯を取り出して東郷先輩に電話をかけた。
数秒の沈黙の後、黒坂先輩が口を開いた。

「あ、リュウ?元気?」
やっぱり……東郷先輩俺の電話わざと出なかったんだ。
どうしようすごい泣きそう…

「あのさぁ、中谷に代わるよ?話があるって…」

黒坂先輩の言葉はそこで途切れた。
「えっと……ごめん、切られた」

いよいよ完全に避けられてるみたいだ…



ムカつく。逃げるなんて男のすることかよ。なんで一言謝るくらいできないんだよ。
絶対会いに行ってやる。
電話もダメ、学校もダメなら…
「俺、午後の授業サボって東郷先輩の家に行ってきます」

「おぉ、頑張れ」

黒坂先輩に背中を押されて歩きだそうとした瞬間、
「ま……待って下さい」
夏樹が黒坂先輩を呼び止めた。

「夏樹くん、何?」

「東郷先輩のこと、教えて下さい。僕は良いので……チカラさんにだけでも」

「何言ってんだ?夏樹」

「チカラさんは……『東郷先輩が自分のことを好きなわけがない』って思ってるから東郷先輩のこと好きって認められないだけなんです。だから…」

本当に何言ってんだ。確かに東郷先輩が何考えてるかわかんなくて悩んでたけど…

「……あぁ、なるほど。じゃあ俺の知ってることは話すよ。言うなって言われてるけど、約束は守れない性分だし」

黒坂先輩がそう言っている間にチャイムが鳴って、昼休みは終わってしまった。

「ありゃ、俺もサボろうかな。夏樹くんも良かったら」



結局3人で屋上へ来た。
黒坂先輩……一体何を話してくれるんだろう?

「良い天気だねー」
大きく伸びをして黒坂先輩が座り込んだ。俺たちも正面に座る。
「リュウの話だったね」

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