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メイクビリーブ
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家に帰って自分の部屋にこもると、俺は携帯をとりだして電話帳の中から『東郷リュウ』の名前を探した。

東郷先輩と電話なんて初めてだな…
震える手で発信ボタンを押すと、少し間があって呼び出し音が聞こえた。

……出ないな。
切るか切らないか悩んでいるうちに、留守番に切り替わってしまった。

えっ!?どうしよう!!
留守番だった時のことは考えてなかった…
とにかく、なにかしら入れとこっかな…

「あの……中谷です……で、電話ください…」
なんか声とか上ずっちゃったな…
まぁいいか?



ところが3時間待っても電話はかかって来なかった。
……いやでも、忙しくて携帯見てないだけかもしれないし…
一応メールもしてあげようかな。電話くださいとか一言くらいなら、うん。

そう思ってメールして更に6時間待ってみた。電話してからは9時間経ってる。

何回携帯を開いても、何回メール問い合わせをしても、東郷先輩からの連絡はなかった。

なんだよ。なんなんだよ。
俺には『シカトすんなよ』とか言っといて自分は…

やばい、結構ショックだ。
東郷先輩に拒絶されるなんて…

「……や、でも携帯故障してんのかもしんないし…」
自分に虚しいフォローをいれてみたけど、胸の痛みは止まらない。

もう少し、待ってみようかな…

結局『もう少し』を繰り返していたら、朝になってしまった。



「夏樹……今日の昼休み、2年の教室行ってみようか」
こうなったら意地でも会いに行ってやるって気になってきた。

俺の提案に夏樹は嬉しそうに頷いた。
「行きましょう!!」
ノリノリだ…
俺は緊張でこんなに憂鬱なのに。

昼休みになって、屋上には行かず2年の教室へ直行した。
東郷先輩は有名人だから、ほとんどの人が何年何組かも知ってる。
だから迷うことはなく辿り着けた。けど…

教室の中を少し覗くけど、東郷先輩の姿は見当たらない。
『東郷先輩いますかぁー?』
なんて大声は出せないし、呼んできてもらうにも先輩ばかりで頼みづらいし…

「東郷先輩、いませんね…」
夏樹もしょんぼりしてる。
うーん……困ったなぁ。

「お、随分かわいい男の子はっけーん」
夏樹と立ち往生していたら、突然声をかけられた。また夏樹にナンパか…
俺は振り向いて大声で叫ぶ。
「僕たちこう見えても東郷先輩と交際がありまして!!」

「俺の方があるけどね」

え?

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