メイクビリーブ
おまけ
「リュウ!!」
リュウ、本当に頭おかしくなっちゃったんだなぁ。
来るや否やあいつらを華麗に倒して『中谷大丈夫か』って展開かと思いきや、『気のすむまでやれよ』とか言っちゃって。
挙げ句の果てに『恋人ごっこは終わり』とか何?
もう俺の手には負えないよ!!
「……昴」
何、って返したら『さっきの奴ら誰か調べろ。ボコボコにしてやる』だって。
「それならさっきやり返せば良かったじゃん」
「殴るより、殴られるのに耐える方が難しいから…」
「は?」
「……中谷に誠意を見せるには、こういう方法しかないと思ったから」
『誠意』……リュウの口からそんな言葉が出てくるとは。
「なのにやり返しに行くの?」
「これから俺を恨んでる奴はチカラさえ拉致すれば良いと思われたら……チカラが危ないだろ」
……うーん。とりあえずリュウが自分の本気をわかってもらうためにあのリンチに耐えたんだってことはわかった。
だけどさぁ。
「……リュウくん、自分のせいで中谷が危険な目に遭ったから身を引くの?そういう危険から体張って守ってでも一緒にいたかったんじゃないの?」
リュウは明らかに動揺したのに、何も言わなかった。
リュウも俺みたいに適当に生きればいいのに。いろんなもんと葛藤して、一番大切な想いを投げ出した。
「リュウくん、恋をして変わった自分を好きになれる人なんてごくわずかなんだよ」
「わかったような口をきくな」
いやいやリュウくん、俺はリュウくんよりリュウくんのことわかってるんだから。
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