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メイクビリーブ
...☆
資料室が見えてきた頃、突然扉が開かれ数人の不良が出てきた。
俺を見て見ぬフリをして素通りしていく。

東郷リュウ……本当にやめさせてくれたんだ。夏樹は無事なんだろうか?

急いで資料室に入ると東郷リュウと黒坂昴の向こうに座り込んでいる人影があった。
「夏樹!!」
「チカラさんっ…」

泣きながら俺の名前を呼ぶ夏樹に、急いで駆け寄った。
「無事なのか?あいつらに何されたんだ」
夏樹は子供みたいに泣きじゃくって返事をしない。

すると後ろから声がした。
「俺らが来た時ズボンは履いてたよ。シャツは脱がされてたけど」
黒坂昴だった。
それで察しろということだろう。

「ごめん……俺、全然役にたたなくて」

「そんなっ元々は僕のせいなのに、チカラさんが……」

夏樹はそう言って俺の腹のあたりに目をやった。足跡がついている。

「こんなの大丈夫だ。夏樹が無事で良かった…」

「ありがとうございます…」

しばらくして夏樹が泣き止んだ。せっかく綺麗な顔なのに、少し目が腫れてる。

「あ、そうです!!こちらの方々が、助けてくださったんですっ」

ありがとうございます、と夏樹は2人に頭を下げた。

「礼なら……そいつに言え」
無表情で話す東郷先輩の言葉に夏樹が首をかしげる。

「いやー俺ら実はその子に頼まれて助けにきただけなんだよね」
黒坂先輩はニコニコ顔で話す。
対照的な2人だなぁ……

「そうだったんですか!?チカラさん、ありがとうございます!!」

夏樹が笑う。よかった。
俺1人だったら今ごろ取り返しのつかないことになってたかも。
本当に東郷先輩と黒坂先輩には感謝してもしきれない…

「つーかよ」
ん?と振り返ると東郷先輩の視線の先には、夏樹。

「お前そいつにくっつきすぎなんだよ。俺のもんに気やすく近づくな」

『俺のもん』って?
俺?
いやいや、俺は東郷先輩のもんじゃないし…

「……えっ!?」
「忘れてねぇだろうな」
頭の隅に追いやっていた言葉。
『お前、俺と付き合え』

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あきゅろす。
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