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メイクビリーブ

キスくらいなら我慢して、東郷先輩に早く許してもらいたい。
でも、恥ずかしいんだよ!!すっと言えないよそんなこと!!

黙ったままの東郷先輩。ちなみに手は今やどちらも俺のお尻にある。
「だから……き、きー……す、くらいなら、どうぞ」

東郷先輩が呆然としていた。
間抜けにならないのがイケメンの特性だな、このやろう。

「……何?」
えっ聞いてなかったのかよ。
恥ずかしさをこらえて、また聞かれないようにはっきりと叫んだ。
「だから!!キスしていいです!!だから、許してくださっ…」

言い終わらないうちに俺の口は東郷先輩の唇でふさがれた。



うわぁ、俺、男とキスしてる…
気持ち悪い……と思うはずだったけど、それより東郷先輩の柔らかい唇の感触に胸が高鳴った。

そろそろ離れるかな、なんて思っていたら、急に唇を割って口内に何かが侵入してきた。

舌が……東郷先輩の舌が、入ってきたんだ。
気付いた時にはもう、東郷先輩が俺の口内を舐め回していた。

「んっ……ふ…」

やめてほしくて何か言おうとしても、情けない声が洩れるだけ。
生暖かくて柔らかい東郷先輩の舌が、生き物みたいに俺の口内を犯す。



もう何分経ったんだろう…朦朧とする意識の中でそんなことを考えていると、やっと東郷先輩の唇が離れた。
透明の糸が引いて、ちょっとエロい…

「……なんでお前は、舌いれないわけ?」
東郷先輩の上気を帯びた表情は、ちょっとどころじゃなくエロい。

ていうか……なぜ俺が舌を。
「こういうキスのつもりじゃ……なかったんですけど…」
呼吸を整えながら答えると、東郷先輩はニヤリと笑った。
わぁ……妖艶。女の子が見たらすぐ惚れちゃいそう。

「俺は、こういうキスしか知らない」
そう言って、俺の唇をペロリと舐めた。

嘘つけ!!

恥ずかしくて仕方なかった俺は、東郷先輩をちょっと睨んでみた。
先輩はふっと笑う。
「そんな顔されると……我慢できなくなる」

……は?
何を!?何を我慢してるの!?

「俺、どんな顔してるんですか?」

「1分以上見てたら勃起しそうな顔」

どんな顔だよ!?
人の睨み顔に欲情するなんて、なんて失礼な…

「東郷先輩の変態…」

「お前がそうさせてる」

小さく呟いたつもりが即答された。
ちらりと東郷先輩を見ると、ニヤリと笑ったまま親指で俺の唇を撫でてきた。

良かった……機嫌直ったみたいだ。
なんか疲れちゃった…と思った瞬間、あくびが出た。

「中谷……眠いのか?」

「えっと…」

なんて答えようか迷っていると、「眠くねぇなら」と東郷先輩が俺のベルトを外そうとしてきた。

「眠いです!!」

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