メイクビリーブ ..☆ 東郷先輩は喋らないし、動かない。 『もう帰れ』って意味だろうか? だってやっと拘束から解放されたし… でも… このまま帰っていいんだろうか? 東郷先輩はきっとまだ怒ってる… 別に、東郷先輩に嫌われたくないとかじゃない!!けど……やっぱり合コン行ったのは悪かったよな… とりあえず体を起こして服を正す。東郷先輩は……やっぱり動かない。 さてどうしよう… とりあえずなんか言わなきゃ。 「あの……ど……どうしたら許してくれますか?」 ……うーん、我ながらどうなんだこれ。 でも今は東郷先輩の機嫌が直るならなんでもしてあげたい気分。 うん。俺も反省してるし。 答えを待ってると、東郷先輩がゆっくりと顔をあげて俺を見た。 「……キス」 ……は。 確かになんでもしてあげたいとは思ったけど、それはちょっと… 「他のでもいいですか?」 「じゃあ10分間キス」 よりひどい!! 「それもちょっと…」 「じゃあチンコ触らせろ」 ……はあぁああ!? 何言ってんのこの人!? 変態なの!?あぁ、変態だった… 俺のその……そんなとこ触って、何が楽しいんだ!! 「やー……嫌です」 「じゃあしゃぶらせろ」 「ありえない!!」 「じゃあ……セックス?」 「なんでどんどんハードルが高くなっていくんですか!!」 どうすれば許してくれるかなんて、言わなきゃ良かった… いやでも、恋人なんだもんな、当然の答えなのか? 「……じゃあ」 まだ先があるのか!! と思いつつ先を促す。 「なんもしねぇから、朝までここにいろ」 「……あ、それなら全然…」 今まで散々出された条件に比べると、朝飯前に思える。 ただ泊まればいいんだよな?この部屋に。朝まで東郷先輩と一緒に… ん、なんかやっぱり緊張するかも。 今は……22時か。 「家に連絡してもいいですか?」 俺の親は突然の泊まりも全然OKだけど、連絡無しだと怒られる。 そろそろ心配してるかも… 東郷先輩が頷いたから、俺は寝室を出てポケットから携帯を取り出した。 着信……10件!? 「あ、ユミだ…!!」 そういえばユミたちと喋ってる時に突然連れ出されたんだ。 心配してくれてるんだろう。 かけなおした方がいいよな… 親には『友達の家に泊まります』とだけメールして、さっそく発信ボタンを押すとユミはすぐ電話に出た。 [*前へ][次へ#] [戻る] |