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メイクビリーブ
..☆
合コンに行くことになりました。

あぁあ……どうしたらいいかなぁ。気にするほどのことじゃないかもしれないけど、ついつい考えてしまう。

「チカラさん、なんだか今日は元気ないですね?」

「そ、そう?いや、あの……次の時間小テストじゃん。ちょっと不安で」

上手くごまかし……てないな。
夏樹が心配そうに俺を見てる。

「もしかして、東郷先輩とケンカでもしたんじゃ…?」

こんなこと言うから、夏樹には相談できない。余計心配させちゃうだけだし…



お昼休みになって東郷先輩の顔を見たら、俺の心に不思議な感情が生まれた。
「……どうした?中谷。じっと見て」

「え、いや、ごめんなさい」

「別にいいけど。ていうか見てろ。一生俺だけ見てろ」

「俺、生活できませんて…」
東郷先輩のボケに力なくツッコミをいれる。

やっぱり……『罪悪感』。
なんだかんだ『恋人』だもんな。俺にとって、東郷先輩って。

昼休みの途中、東郷先輩がトイレに行った隙に2人に聞いてみた。
「……合コンとか、行ったことあります?」
突然の質問に目を丸くする夏樹と黒坂先輩。

「ぼ、僕はないですね…」
「俺は1回あるよ、昔だけど」
黒坂先輩はあるんだ。うーん、わかる!!

「東郷先輩はあるんでしょうかね?」
夏樹が言う。
あ、それちょっと気になるかも。
すると黒坂先輩があっさり答えた。
「あー……俺のその1回、リュウも一緒だったよ。嫌々来たくせにちゃっかり女お持ち帰りして、マジムカついた」
黒坂先輩が口を尖らせた。

……東郷先輩、彼女とかいたのか。なんだ、やっぱりノーマルなんじゃん。
ていうか俺に『付き合え』とか言ったけど、付き合ってくれる女の人たくさんいるじゃん。

……人をおちょくってるとしか思えない。

「何、中谷合コン行くの?」

「え、いや昨日誘われたんですけど……断っちゃって。せっかく誘ってくれた友達に悪かったなって」

咄嗟に、嘘をついてしまった。でも良いよな。ていうか俺、別に合コンくらい行っても問題ないよな?
そんなの俺の勝手だろ?

「あぁ、だから朝から元気がなかったんですね…」
夏樹が慰めてくれた。良い奴だ…

「へぇ……俺は合コンに行った中谷見てみたかったけどねぇ」
なんか笑えそう…とからかう黒坂先輩。
俺もそう思う…

東郷先輩が帰ってきたけど、俺は何も言わなかった。ていうかその時には既に言う必要なんて感じてなかった。

行くぞ、合コン。
俺みたいな男に女の子は見向きもしないと思う。それは承知の上。
それでも、ちょっと楽しみかも。

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あきゅろす。
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