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メイクビリーブ

東郷先輩と付き合うことになって5日経った。
そのうち2日は土日だったから、実質は3日なのか?

ちなみに東郷先輩と一緒にいることは全っ然慣れない。

とにかく今日は月曜日。
いつものように昼休み屋上へ向かおうとすると、廊下で呼び止められた。

「中谷!!夏樹くん!!」
黒坂先輩だった。またしても隣に東郷先輩は不在。
「間に合ってよかったー。今日は屋上来なくてよろしい。君たち2人で食べなさい」

「な、なんでですか?」
俺が尋ねると、
「リュウが学校休んでるから」
そう言うや否や去ろうとする黒坂先輩。

「……いやいや、なんで休んでるんですか?」

「えー知りたいの?」
めんどくさそうに頭を掻く黒坂先輩。
自由だなぁ、この人…

「知りたいわけじゃないですけど……風邪とかならやっぱ人として心配する、かも、しれません…」

素直に『心配です』とは言えなかった。だってなんか……俺が本当に東郷先輩のこと好きみたいじゃんか。

「……あぁ、風邪だなぁ。電話ですげぇ苦しそうだったもん。あいつ一人暮らしだから、今ごろ死んでるかも」
それ、そんなにニコニコして言うことなのか……?

「こういう時は恋人がお見舞いとか来てくれたら嬉しいと思うよ。放課後行ってやったら?」

「えっ!?なんで俺が…」

「恋人だから」
黒坂先輩……俺たちの事情知ってますよね?

「チカラさん、お見舞い行ってあげた方がいいですよ!!」
夏樹まで…

「な、夏樹も一緒に…」
「おうちまでならお供しますが、おそらく東郷先輩は僕をおうちにあげてくれないと思います」

確かに。夏樹やっぱ頭いいな…
「じゃあ決まりな」
黒坂先輩がにんまりと笑った。



結局黒坂先輩に書いてもらった地図を頼りに、俺は東郷先輩のお見舞いに行くことになった。
俺って結構お人好し?

「なんか買ってった方がいいかな……いいか。言われたら買いに行けばいいし」

「チカラさん、この道をまっすぐ行くと着くみたいですよ」

あー、東郷先輩どんな反応するんだろ。驚くかな?追い返されたらそれはそれで虚しいよな…

「チカラさん、ここです!」
夏樹が指差したのは、学生の一人暮らしにしては十分すぎるくらい綺麗なマンションだった。

東郷先輩の部屋がある2階に上って、少しあるくと『東郷』と書いてあるネームプレートを見つけた。

「……やっぱ寝てたら悪いし」
「チカラさん!!東郷先輩きっと喜びますよ!!」
夏樹の押しに負けて、震える手でインターホンを押した。

ピンポーン…
やばい!!俺今、東郷リュウの部屋のインターホン押してる!!逃げたい!!
出ないな、寝てるのかな。だったらさっさと帰りたい…

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あきゅろす。
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