メイクビリーブ
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混乱する夏樹を置いて、俺は急いで東郷先輩を追い掛けた。
「東郷先輩!!やめて下さい!!」
２年は倒れて呻いているのに、東郷先輩は蹴りをいれ続ける。
どうしてこんなことになったんだ!?
止めなくちゃ、東郷先輩を止めなくちゃ…
そう思って咄嗟に俺は先輩のシャツの裾を掴んだ。
「東郷先輩っ!!」
途端に、東郷先輩の動きが止まった。
その隙に２年が起き上がって逃げ出す。
「良かった……東郷先輩…」
「リュウ!!何してんだよ」
黒坂先輩と夏樹が走ってきた。
「……あいつ、俺の中谷に、セクハラしやがった」
東郷先輩の顔はいまだ険しい。
「いやぁ…俺、そんな気にしてませんけど」
「てめえが気にしなくても、俺が気にすんだよ」
どういうことだよ。
東郷先輩って、実は独占欲強い？
自分のおもちゃ勝手に使われたらマジギレする人？
「お前ら本当よく絡まれんなぁ。夏樹くん可愛いから気をつけてね？」
黒坂先輩の言葉に本気で頷く夏樹。
確かに、顔が綺麗すぎるのも案外悩みもんって本当だな…
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