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メイクビリーブ

5限の予鈴が鳴って、俺たちは教室に帰ることにした。

「中谷、帰り教室で待ってろよ」
えー、帰りも一緒か……そりゃ大変だ。

「よ、4人ですよね?それも」
東郷先輩は渋々と頷いた。
良し、4人なら全然良い。
じゃあ放課後に、と言って俺たちは屋上を後にした。



「えっじゃあチカラさんは東郷先輩のこと好きじゃないのに付き合ってるんですか!?」

「うーんまぁ……東郷先輩の悪い冗談っていうか、お互いのことよく知らずに付き合い始めちゃったっていうか…」

今は、体育の授業だった。ほとんどの生徒が参加していないから、あんまり成立していない。
結局、俺も夏樹と喋っている。

東郷先輩とのことを説明しようと思ったのだが、夏樹のことで脅されて付き合ってるなんて言えるはずもなく……結局グダグダな説明になってしまった。

「なるほど……2人を見て違和感を感じていたので、スッキリしました」

そりゃそうだよなぁ。
違和感なら俺だって抱えてる。

「でも、東郷先輩って…」

「ん?何?」

「……なんでもありません」

「なんだよ?」

夏樹は結局教えてくれず、体育の時間はそんな話をしているうちに終わってしまった。

「チカラさん、先輩たち来ましたよ」
そして放課後。入り口を見ると、確かに目立つ2人の長身イケメン。
そっか、4人で帰るんだっけ。



2年と1年は下駄箱が少し離れている。廊下を一緒に歩いていた俺たちは、一旦別れた。

「やっぱあの2人と歩いてると視線がすごいな…」

「本当にお強いんですね、東郷先輩」

そんな話をしていると、知らない男が声をかけてきた。

「1年の可愛い転校生ってお前?」
ニヤニヤしながら夏樹に近寄る、多分2年。
「本当に女みてぇだな。ちゃんと付いてんのか?」

そう言って夏樹のズボンに手を伸ばした。
「や、やめてください…」
嫌がる夏樹にそいつは無理矢理にじりよる。

出た、こいつも……変態だ。
「夏樹に触んなよっ」
「はぁ?お前は関係ねぇんだよ」
そいつが俺の腕を掴む。
痛い、痛いって……!!
もうやだよ、こんなんばっかり…



「中谷に触んな」



あぁ……今日だけで2回目だ。
俺、どれだけ感謝したらいいんだろう。

「何だよ……お前のお気に入りか?」

「いいから手を離せよ」
怒りの混じった声の東郷先輩。

「へぇ……お前にそういうのがいたのか?じゃあここは」
もう東郷のだらけか…
そう言って2年は……なんと、俺の、尻を、揉んで……去っていった。

呆然とする俺たちだったが、すぐ東郷先輩が真っ赤になってその2年を追いかけようとした。

「あいつ……ぼこぼこにしてやる!!」

えっなんで!?
そこまでしてもらうようなことされてないだろ!!
気が付いた時には東郷先輩が校門を出ようとするそいつに蹴りをいれていた。

ダメだろおっ!!

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