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メイクビリーブ
おまけ
「リュウ〜待てよ。俺を置いていくなって」
リュウは歩く速度を変えない。
走れば追いつくけど、めんどくさいし。

リュウ、わかってんだぞ。
照れてんだろお前。
中谷に『どこまでするんですか』って聞かれて、1人で想像して1人で照れちゃってんだろ。

あー、俺の知ってる冷静沈着なリュウは一体どこに行ったんだろう…

教室に着いて席に座るとリュウは携帯をいじり始めた。
「中谷にメールしてんの?」

「おー」

「せっかくだからお昼ご飯でも誘ってみたら?」
そう言うと、一度閉じた携帯をまた開いた。

返信来てから言えばいいのに……待てないんだね。待てないんだねぇ。

「……あ」
何か思い出したように、また閉じた携帯を開くリュウ。

「どうした?」
「いや、転校生も連れていきたいって言うだろうと思って」

あぁ、夏樹くんね。
「このままいけばリュウと中谷のキューピッドだね。夏樹くんがいないと始まらなかったし」

「俺には今のところライバルにしか見えない…」
弱気だな。東郷リュウのくせに。
まぁ確かに中谷夏樹くんのこと相当気に掛けてるけど。

「そのライバルも誘っちゃっていいの?」

「……チカラが望むなら、仕方ねぇだろ」

ていうかその名前と苗字の呼びわけ大変じゃねぇのかな。
昨日は名前知らないふりとかするし。

お前出会う前から何度もチカラって呼んでたじゃん。

「そういうわけだから、お前も来いよ」
えっめんどくせー。
まぁ良いけど。

俺はそういう東郷リュウも、嫌いじゃないからねぇ。

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あきゅろす。
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