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隣の幸村くん



「あー、じゃあここは会沢なー」

「またあたしっ!?」

席替えをしてからあたしの受難は続いてる。
ただでさえ一番前の席で当てられやすいのに、担任の授業になるとあたしは毎回のように当てられる。
それも一度ではなく何度も何度も、だ。

今日も当てられるのはこれで3回目だ。

「…わかりません」

「じゃあ幸村ー、バカでしょうがない会沢のために答えてやれ」

…本当にこの担任はムカつく。
訴えれば勝てると思うのだが、みんなにそのやる気をなくさせるくらいの俺様なのだ。

「ふふ、またなの?奈佳がわからないと俺が当てられるんだよ?また貸し1つだからね」

そしてこの隣の席に座っている奴も、どうしようもない俺様だ。
それも爽やかな笑顔を崩さないのが更にムカつきを増加させる。

「ふざけんな」

"誰のせいでこんな一番前の席になったと思ってる" そう言って殴ってやりたいくらいだが、前に一度言ったとき"え?前田くんのせいに決まってるだろ?"と言われた。(前田くんとはあたしと席を交代させられた前田くんだ。)
前田くんはびっくりした顔をして、慌ててあたしに謝ってきた。(前田くんは悪くないのに)


「今日の放課後買い物に付き合ってくれるだけでいいよ」

「買い物?なに「俺の前でイチャついてんじゃねえガキ」…ホントに教師ですか」

「さっさと答えろ」

「"knew"」

「よし、正解」

たいして考えもせず正解をしてしまう幸村を睨む。
その幸村はこっちを爽やかに笑いながら見ている。

「ね、付き合ってくれるだろ?」

それは、幸村はあたしをデートに誘ってるってこと?
まさか、幸村が?いやいや、幸村のことだから荷物もちとか!

「…アイス奢りだから」




(さ、次行くよ)(ちょっ、アイスは?!)(あと2軒くらいかな)
(え、てか…部活の買い出しとか!ホントに荷物もちだし!)
デートとか期待したあたしバカ!


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