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「え…」


真っ白な、部屋。


真っ白な病室。
いつも必ずあったキレイな花も、大切にしてた植物たちも。
……君と一緒に、消えてしまった。




Ich bin nicht an diesem Tag.




なんで、なんで、。

いつも通り学校が終わって、検査も終わって。
結果が良くて機嫌よく開けた病室の扉。
そこにはいつもにこやかに笑ってる君がいるはずなのに。


「あら、奈佳ちゃん?」

いつもの看護婦さんがいて、
"どうしたの"って聞いてくる態度も変わらなくて、
さっき見たのは嘘だったのかもしんない、そう思うくらい周りは変わってなくて、
でも病室だけはさっきと変わんないからっぽな状態。


そんな状態信じたくなくて、信じれなくて。
声を必死に絞り出した。

「ね、…精、市は……?」

「え?幸村くんならもう」


「や、だ……、っ!」


バタバタと大きな音たてて病院を出てく。


やめて、やめて。
精市がいつもの病室にいない理由なんて、限られてる。

退院したのか、状態が悪化して逝ってしまったのか。


ありえない。
確かにまだ万全って訳ではなかったけど手術も成功して、体調もよくなってた。
あたし置いて、先に逝くとか、ありえない。


でも、でも
退院?
退院ってそんな思いつきで出来たりするものじゃないでしょ?
前から予定として決まっているものでしょ?

あたし、昨日も病室に行ったよ?
教えてくれてもいいんじゃない?
ねえ、精市―――。





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