お泊まり! 中編 「つっいた〜!」 目の前には大きな門。 「……何でこんなにでけぇんだよ。…必要ねぇだろ」 宍戸、庶民の意見をありがとう。 「おい、突っ立ってねぇで行くぜ」 跡部を先頭にし、皆がついていきました。 そして、 「「「御帰りなさいませ、景吾坊ちゃま」」」 ずらっと並んで出迎えてくれたのは執事さんやらメイドさんやら……凄い迫力です。 その間を通って、辿り着いたのは大きな部屋。 「うわぁ〜!ひっろーい!!」 「……ほんと、無駄に広いですね」 「…ったく、こんなに広くったって何も使わねぇだろ…」 ごもっとも。 「すごいすごーい!」 テンションが上がったのか、走り回る麻燐。 「あっ、おい…走り回るな!」 「こんなにおっきいんだったら、鬼ごっこができるね!」 「お、それええな。どうや?お兄ちゃんが鬼になったるで」 「止めろ」 捕まえたら絶対に離さないでしょう。 「……ほら、まずは夕食に行くぞ」 「あ、行くー」 そうして、荷物を置いて部屋から出ました。 「きゃー長いー!」 やっぱりテーブルは長かった。 端っこと端っこに座ったら絶対に相手の顔は見えないでしょう。 「ほら、麻燐ちゃん。暴れないで座ろう?」 「はぁーい!」 こういう時、鳳はマナーが一番できてそうですね。 「お待たせしました」 そう言ってメイドさんが料理を運んできてくれました。 「…お、おい長太郎…。これ、どれを使っていいんだ?」 沢山のフォークやナイフに戸惑う宍戸。 「端から使うんですよ」 「…そ、そうなのか……。つか…こんなん、箸一本で食えるだろ……」 そう言いながらもぎこちない手つきで食べ始めてます。 「……ふぇ、がっくん先輩〜……」 「ん?どうした、麻燐」 麻燐が、隣に座っている向日に話しかけました。 「……お肉がね、上手く切れないの……」 ナイフを片手に泣きそうな顔の麻燐。 「うっ……悪ぃけど、俺もそういうの苦手なんだよ……」 何とか切って食べてます、的な手つきの向日。 「あう……わか先輩〜〜……」 「…………はぁ、しょうがないな…」 一旦自分の手を止め、麻燐の方を向く。 「…いいか?お前はナイフだけで切ろうとするからだめなんだ。…ちゃんと左手でフォークを持て」 「…フォーク?」 「ああ。そのフォークで抑えながら切ってみろ」 言われたとおりに、フォークで抑えながら切ってみました。 「……うぇ、お肉切れない〜〜」 どうやら、筋にぶつかったみたいです。 「……貸してみろ」 麻燐からフォークとナイフを取り、自分で切ってみせる日吉。 「……ほら、切れた」 「わあ、ありがとう!お礼に、あ〜〜んっ」 「「「!?」」」 麻燐は、日吉が握っているフォークの肉を食べました。 「ん〜〜美味しい!」 「「「(日吉の奴……)」」」 隣になった特権です。 そして、その後も皆で美味しく夕食を食べました。 お泊り! 中編 (はぁ……皆の視線が痛かったなby日吉) ←→ |