性格
「テニス部の人って、近づきがたいよね〜」
「うんうん、何だか、別格！って感じ〜？」
ある日の事。
麻燐は友達と喋っていた。
「え〜？そうかなぁ？」
「麻燐はマネでいつも会ってるから有り難味がないんだよ！」
「ほんと、羨ましいーなー」
「えへへ、ありがと〜」
「…でも、私たち遠くから見過ぎて、どんな人たちなのかいまいち分かんないんだよね〜…」
「そうそう。先輩だし、教室には行けないし……」
「？皆がどんな人か知りたいの？」
「そりゃあね〜…かっこいいけど、性格とかだめだったらね〜……」
「それに、色んなこと知っておきたいし」
「それなら、麻燐が聞いてきてあげる！」
と、いうことで。
麻燐はテニス部レギュラーの性格を調べてくることにしました。
……さて、友達は満足の結果が得られるのか……。
放課後。
「ねぇねぇ、皆〜！」
「何や、麻燐ちゃん？」
「忍足さん、一番に返事するなんて図々しいですよ」
「見苦しいです」
「俺先輩やで！？」
「ふっ……下剋上」
「相変わらず、激ダサだな」
日吉と宍戸、酷い事を言うようになりました。
「くそくそ！俺が一番なんだよっ！」
「アーン？俺様だろーが」
「皆〜寝言は寝てから言った方がいいC」
一瞬で空気が静かになりました。
「あのね〜、皆の性格が知りたいの！」
今、この沈黙を破れるのは麻燐しかいません。
「……性格？」
「んなの、充分知ってんじゃね？」
「あのね、友達が皆の性格が知りたいって言ってたから…」
「へー、それで俺たちから？」
「麻燐から見ただけじゃ分からないのもあるもん！」
「ええで！麻燐の為に一肌脱いだるわぁ！」
とか言って、本当に脱がないで下さい。
「忍足さん、ロッカーに仕舞いますよ？」
「！？す、すんません……」
立場逆転。
「じゃあまず、景ちゃん先輩から！」
麻燐、メモ準備。
「アーン？俺様は……「「「俺様だな（ですね）」」」
皆、声ピッタリです。
「…おい、何勝手に言ってやがる」
「だって〜、跡部と言ったらそれしか思い浮かばないC〜」
「それだけ印象が深いんですよ」
「…あ、他にナルシストってのもあるぜ！」
「じゃあ、短縮してナル様だな」
「何や響きええなぁ」
「よーし。これからそう呼ばせてもらいますね」
「やめろ」
「ふむふむ……」
麻燐、メモ中。
今の会話から何を書いたのでしょう。
「じゃあ、次はゆーしせんぱ「「「変態」」」
「ちょっ、言うの早すぎやて！」
「だって、それが侑士じゃん」
「忍足、てめぇには充分だろーが」
「はっ、激ダサ」
「それ以外思い浮かびませんね」
「変態じゃなかったらロリコンですね」
「あ〜それいいC〜」
「良くあらへん！」
散々な言われよう。
普段の行いが悪いからだよ！
「じゃあ次は〜……がっくん先輩！」
「俺？俺は〜……なんだと思う？」
「あ？チビ」
「宍戸、そないなこと言うなや！そこが可愛えとこやで！」
「忍足さん、ロリコン疑惑が確実になりましたね」
「変態にロリコンが＋されたC〜」
「ざまぁねぇな」
「……って、相手は向日さんですよ？」
「クソクソ侑士！そーだったのかよ！」
忍足、変態ロリコン確定。
日吉の冷静なツッコミがあったにも関わらず向日は勘違い（？）してます。
「次はね〜…りょー先輩！」
「…俺もかよ」
「ん〜〜〜帽子？」
「それ、性格じゃないですよ」
「宍戸は純情やろな〜、今時珍しいで」
「忍足さん………変態如きが宍戸さんの事を語らないでください」
「あはは〜、宍戸贔屓だC〜」
「まぁ、唯一の庶民だからな」
「……全員、ぶっ飛ばされてぇのか？」
やはり馬鹿にされてます。
そして、鳳に守られてます。
「んじゃ〜ジロ先輩！」
「やっと俺だC〜」
「ジローは……寝すぎだろ」
「でも、最近起きてるぜ」
「ま、練習はやる気がねえみてーだがな」
「ふん……気まぐれなんですよ」
「せやなぁ、ジローの寝顔は可愛えって人気やで？」
「ジローさん、忍足さんに褒められて良かったですね」
「忍足〜……覚めない夢を見せてあげるよ〜？」
跡部、そういう貴方たちは練習をしてませんけどね。
そして忍足、またもや命の危機。
「ふむふむ……次は、チョタ先輩！」
「うん、俺は、麻燐に対しては優しいよ」
「俺たちはどうなんだ？」
「鳳も、自覚しとったんやなぁ……」
「自覚がないわけねぇだろ」
「へぇ〜、いつからこんな生意気な後輩になった〜？」
「（もともとこんなんだと思うが）」
「？長太郎は優しいぜ？」
「ですよね〜宍戸さん！でも、日吉〜酷いなぁ、友達に対して〜」
気付いてないのは貴方と麻燐だけです、宍戸。
日吉は同じ2年として仲良く（？）してるつもりです。
「んじゃあ、最後、わか先輩！」
「……変なことは言わないでくださいね」
「日吉は生意気だぜっ！」
「それは下剋上の為だろ？若」
「あはは、日吉は俺以外の後輩で唯一宍戸さんから名前で呼ばれてるんだもんね？仲良しだよね〜」
「あれぇ？鳳、きのこも贔屓？」
「……思いっきりきのこ言うたな」
「アーン？ま、しょうがねぇだろーよ」
「………げ、下剋上だ……っ！」
日吉、腹立ててます。
でも悲しきかな、反抗できません。
「ふぅ〜調査完了！」
「おっ、終わったか。んで、何て書いたんだ？」
気になりますよね、中身。
「えへへ〜秘密〜」
「何や、気になるなぁ」
「……嫌な予感がしますね」
経験上、分かるみたいですね。
「……麻燐、見せろ」
「だーめ！友達に見せるんだもーん！」
「ええやん、俺らのことなんやで〜？」
「変なこと書いてねぇだろうな…？」
心配な宍戸。
そりゃ、皆からあれだけ言われてましたからね。
麻燐が上手くまとめれたでしょうか？
「なぁ麻燐〜見せろよ〜」
「だめ。これ麻燐のだもーん！」
「麻燐ちゃん……見せてくれたら…ええこと、したるで……？」
「忍足さんは下がってて下さい」
「！！」
折角のセクシーボイス（自称）も鳳の黒さで消されました。
「絶対だめー！かばちゃんせんぱあああああいっ」
「ウス」
「「「樺地！？」」」
「じゃあねっ、皆！行こ、かばちゃん先輩！」
「ウス」
いきなりの樺地の登場に唖然とした皆を置いて、麻燐ちゃんは帰ってしまいました。
「……樺地、麻燐にも従ってるな」
「ほんま忠実やな、樺地も」
「それにしても……なんて書いてあったんだ？」
「さぁな。…まぁ、麻燐のことだ。悪いことは書いてねぇだろ」
そうです。
ただ、皆さんが言ってた言葉を写しただけです。
〜麻燐メモ〜
けえちゃんセンパイ…俺さま＋なるしすと＝ナルさま
ゆうしセンパイ…へんたい＋ろりこん（って何だろう）＝それがゆうし
がっくんセンパイ…ちび可愛い！
りょーセンパイ…純情なボーシのしょみん。
じろセンパイ…寝顔が天使。
ちょたセンパイ…優しい！
わかセンパイ…きのこにげこくじょー
皆…いろんな人の性格を言ってあげてる、優しくて楽しい！
ところどころおかしいですよー。
これはレギュラーたちが悪いのか、聞いていた麻燐が勘違いしているのか。
……どちらにしろ、知らない方がよさそうです。
性格
（麻燐さんは……嘘は書きません……ｂｙ樺地）
←→
携帯モード]
[
URL送信]