[携帯モード] [URL送信]
02話:「さっきからお菓子ばっかり食べてるね」










「ねぇ、まずはどこに行くの?」
「そうだなぁ…青学行くか?」
「そうですね、近いですからね」
「よぉし!せーがくへれっつごー!」
「うわっ、ちょ、引っ張るな!」
「えへへー」


2人は麻燐に引っ張られ走ること数分。


「きゃはー!ここがせーがく!」
「はぁ…何だか嫌な予感がするぜ」
「…麻燐が居る時点で予想は出来ますよ」
「麻燐、お前は菓子、食ってろよ」
「分かったぁ!…もしゃもしゃ」
「日吉、行くぜ」
「はい」


いよいよテニスコートへGO!








「あっれー?氷帝の宍戸さんじゃないッスかぁ?」
「おっ、青学の桃城じゃねぇか」
「あ…日吉さん」
「…チビ助」

「……もしゃもしゃ」

「何しに来たんスか?」
「ほら、明日合宿だろ?その挨拶だ」
「挨拶?そんなの明日すればいいじゃないッスか」
「いや……まぁ、色々あってな」
「「?」」
「まぁ、他のメンバー呼んでくれよ」
「分かったッス」


桃城と越前が他のメンバーを呼びに行った。


「……それで、何だ?」
「ま、ちょっとした挨拶だぜ」
「…そうですね」

「もしゃもしゃ」

「合宿、楽しみだよ」
「うん、良い合宿になるといいな」
「そうだな…データが取れる」
「おいおい、程々にしてくれよ」

「もぐもぐ」

「ふしゅ〜…あんたとはまた対戦したいッス」
「海堂、機会があったらやりてぇな」
「チビ助……次は負けねぇぞ」
「ふぅん…俺もだけど」

「もしょもしょ」

「くす、楽しく話してるところだけど、そっちの可愛い子は誰かな?


「「(気づかれたか…)」」


気付かない方がおかしいです。


「あ、あぁ…こいつ…はな」
「さっきからお菓子ばっかり食べてるね」
「へー、結構美味そうじゃん。俺にもくれよー」
「ほぇ?」


急に話し掛けられて食べていたポッキーを銜えながら上を向いた。


「「「(か、可愛いっ!)」」」


麻燐ちゃん、いっきに皆のハートを掴みました!


「…あんた、1年?」
「うん!1年せー!あなたも?」
「そう。越前リョーマ」
「あー!おチビ、抜け駆けはいけないにゃー!俺は菊丸英二!」
「麻燐は、麻燐っていうのー」
「へぇ…麻燐ちゃん、って言うんだ」


不二、開眼する意味があるのでしょうか?


「へぇー、かっわいいなぁ、お前。俺は桃ちゃんでいいぜ」


そうして麻燐の頭をわしゃわしゃする桃城。


「きゃははー」
「よ、よろしくね、麻燐ちゃん。俺は河村隆」
「俺は、大石秀一郎」
「…海堂薫だ」
「部長の手塚国光だ」
「えーと、えーと……」


麻燐ちゃん、名前を必死で覚えています。


「……うん、覚えた!」


どうやら、覚えることができたみたいですね。


「……んじゃ、俺たちはここで」


一応自己紹介が終わったので帰ろうとする。


「もう帰っちゃうんだ…寂しいな」


ですが、不二から何かオーラが出ています。


「あ、ま、まぁ…な(だから嫌なんだよっ、こういうの!)」
「……(鳳と同じオーラだ)」


帰るにも帰れない状態です。


「あ、そういえば、もうひとつ行く所があったよね?」


ここで救世主、麻燐ちゃんの言葉。


「そ、そうだな!」
「早く行かないと日が暮れますね」
「そっかー、寂しいにゃー」
「そうだ!皆にこれあげる!」


そう言って麻燐が取り出したのはきのこの山―――


「わか先輩に似てるでしょ?」
「……麻燐、どうしてこれを?」


日吉、麻燐に問います。


「麻燐ね、きのこの山大好きだから!皆にもおすそ分け!」
「………」


日吉、怒るに怒れません。
居ますよね、何をやっても許される子って。


「麻燐」
「ん、なぁに?」
「たけのこの里は無いのか?」
「「「(手塚(部長)!?)」」」


驚きの発言に皆が目を丸くします。
あの不二も開眼しています。


「んーと…あ、あった!」
「俺はたけのこの里も好きだ」
「そうなんだぁ!じゃあ、はい、あげる!」
「そうか、ありがとう」


そうして少し、ほんの少し微笑んだ。


「「「(ああ、そうか……天然なんだ)」」」


皆が納得した瞬間だった。


「…そ、それじゃあ俺等、行くな」
「そ、そうッスね、気をつけて〜」


青学に別れを告げ、次の目的地、立海へと向かった。













第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!