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愛していると囁いて


「…はい。」

差し出された包みを見て、眞王は眉を潜めた。

「…何よ。」

受け取ってくれないのかと、焦りが生じた。

思わず、下を向く。

いつもはウザったいぐらい、

愛してるを連呼してくるのに

今日はやけに静かだ。

自信がだんだん無くなってくる。



「…おい。」

「うん?」

ふいに呼ばれて、頭を上げる。

チョコを持っていた手を捕まれ、

急に抱き寄せられた…、

と思いきや、

「…ん…ん?」

唇にあたる柔らかいもの。


「こっちの方が、甘いな。」

眞王は、いたずらっぽくにやけた。

「な、なな、何するのよっ!?」

怒って、眞王から逃れようとするが、

「…俺に渡しに来てくれたんだろ?」

そう言って、再びいたずらっぽく笑う。

完全に楽しんでいるようだ。

「し、知らないわ。」

薫は、そっぽを向いて、チョコを隠そうとしたが、

眞王はあっさりと薫からチョコを奪った。

「…素直になれ、我が騎士。」

「私はいつだって、素直よ。」

「嘘だな。」

急に、眞王は真剣な面持ちで即否定した。

「何が?」

見つめられて、緊張しながら平静を装う。

「…お前は、俺を好きだと言わない。」

「う…。」

そんな恥ずかしいことが、毎日眞王みたく言えるわけがない。

薫は、視線を反らした。

「あはは、そうだったかしら?」

「今日ぐらい、言ってくれたって良いだろう?」

眞王は期待しているのか、

薫の手にチョコを戻し、

薫を腕の中から解放した。

「…しょうがないわね。」

コホンッと、咳払いして、正面を見る。

自然と顔が火照り、手に汗をかいた。

チョコを差し出して、


「………好き。」

羞恥を押さえて、そう言った。

またしても反応が返ってこないので、

顔をあげた。

顔を真っ赤にして、
手で顔を押さえた眞王と目があった。


「俺も…愛してるぞ。」

そう言って、眞王はチョコを受け取った。

眞王は、ふいに薫を見る。

「…お前。」

「……ん?」

「その顔、他の男に見せていないだろうな?」

「あ、当たり前でしょ!

私が好きなのは…貴方だけなんだからっ。」

気づけば言い切ってしまっていた。

(は、恥ずかしすぎる)

叫んだためか、眞王廟に反響した自分の声。

「薫。」

(…え?)

急に名前を呼ばれたかと思えば、

「お前、可愛すぎ。」

眞王は再び、薫に優しく口付けた。


背中に回る、眞王の腕が暖かい。

薫も、拒否せずそれを受け入れた。




―――お前を、愛している。



そんな言葉が、唇を通して伝わってきた気がした。












チョコかんけいなす。

すみません(o_ _)oグダクダ。




おまけ(台本形式)




薫「何?」

眞王「食べさせてくれないのか?」

薫「何を?」

眞王「チョコに決まってるだろ?」

薫「え…うん、良いけど。」

眞王「………甘いな。」

薫「当たり前でしょ。私の愛が入ってるんだからね。」

眞王「そうだな。どうせなら口移しで…。」

薫「(……変態。)」

眞王「なんだ?」

薫「――…調子乗りすぎ。今日だけだからね。」

眞王「つれないな。お前も。」










眞王は、毎回一言多い(薫談。



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あとがき


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