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ただ聞いててくれたなら
「なあに?」

「えっと、今眞魔国ではバレンタインがやってて…。」

「えぇ?そうなの…。私も行きたかったなぁ。」

他国のサラレギーが何故そんなことを知っているのか、薫は多少不審に思ってサラレギーを見た。

サラレギーは薫の視線に気づいたのか、ユーリに聞いたんだよと爽やか笑顔で答えてくれた。


(どんだけ、おしゃべりなのかしら…有利って。)

有利の発言が眞魔国以外にも浸透しかねないこの状況で、薫は複雑な思いに駆られていた。

「それで、わざわざもって来てくれたの?」

「うん。」

「貴女が作ったの?」

「うん。」

薫がはにかみながら言うと、サラレギーは満面の笑みで喜びながらチョコを受け取ってくれた。

「すごく嬉しいよ。」

「本当に?」

「まさか、好きな子からもらえるなんて思ってもみなかったから…。」

「え?」

まさかのカミングアウト。

薫の方が先に言おうと思っていたのに、予想外の展開。

薫も慌ててサラレギーに思いを告げる。

「私も、サラのこと好きだから……。」

「ふふっ。照れちゃって、可愛い。」

美人のサラレギーに言われると正直いまいち自信がないのだが、今だけはなんだかその言葉にとても緊張した。

「でも、本当にびっくりした。

急に現れるんだもの。」

「…ごめん。」

「僕たち、赤い糸でつながってるのかもね。」

「え?」

何故サラレギーが赤い糸の話を知っているのか…。

「ユーリが、前に教えてくれたんだよ。」

(また有利か!?)

嬉しい反面、有利の話ばかりな気がして妬けるじぶんは重症じゃないかと薫は感じた。

「ただ、もう一度会いたかった。」

窓から差す光がサラレギーを照らし、窓から流れてくる風がその髪を揺らした。

(絵になる。)

なんて思う余裕もないほどにサラレギーは綺麗で、その美しい瞳には確かに薫がうつっていた。

「私も…会いたかった。」

「本当?嬉しいっ。」

「ちょ…サラ!?」

サラレギーが急に抱きついてきた。

いつもは抑えていいる子どもの『僕』というサラレギー。

それが、薫といると開放される気がしていた。

とても、心地が良い。

「…カオルって、良い匂いがするね。」

「さっき、シャワー浴びてきたからじゃないの?

サラこそ、髪の毛相変わらず綺麗ね。」

「そう?カオルの方が綺麗じゃない?」

―――こんなにも、愛しい。

指先をからめて、言葉を交わして、ただ


貴女が

貴方が


愛の言葉を心で、聞いててくれたなら。


それだけで、幸せ。

そうして、手繰り寄せていく、愛しい人への赤い糸。






あとがき

あぁぁぁぁ、サラ夢…。なんつー終わり方だ(え。

石田様は神!!悶える。あのサラサラな髪に触れたい(殴。



おまけ(台本形式)

サラ「カオル。」

薫「何?」

サラ「小シマロンで暮らさない?」

薫「……嬉しいけど、でも。」

サラ「そう、だよね。ぁ、カオルのチョコ、おいしいね。」

薫「そう?良かった…。」

サラ「また、食べたいな。」

薫「じゃあ、つくりに来るわ。」

サラ「本当に?」

薫「うん。」










後日、定期的に小シマロンへ行くことに=遠距離恋愛とも言う(薫談。

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あとがき





あきゅろす。
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