3
「しょーちゃん!ご飯よ!」
リビングから、美子が声をかける。
同時に風呂場から音が聞こえた。
どうやら、有利たちが帰ってきたようだ。
「あら、ゆーちゃんに健ちゃん。お帰り。」
「ただいま、おふくろ。
薫は?なんか、今回はこっちに来られなかったみたいなんだけど。」
「まさか、眞王がまたいたずらするなんてね…。」
有利に続き、村田もため息をついた。
美子はお玉を持ったまま、有利たちに言った。
「ん〜、しょーちゃんの部屋じゃない?」
「ええ!?なんで勝利の部屋?」
有利は、あわてて勝利の部屋へ走って行った。
バンと思い切り、あけると確かに勝利の部屋で熟睡中の薫。
「勝利!起きろよ!」
「ん、ゆーちゃんか?」
「あ、有利…。おはよう、じゃなくて、、お帰り?」
眠い目をこすりながら、薫も起きたようだ。
(うはぁ、可愛い!)
薫は、美子のフリフリパジャマを身にまとい、
まだ少しボーとしたように有利と勝利を見た。
勝利も起きて、てきぱきと布団をたたんだ。
「全く、ノックぐらいしろ!ゆーちゃん!」
「勝利がいつまでも寝てるからだろ!
ていうか、なんで薫がいるの!?」
「えっと、昨日勝利と話してて、そのまま寝ちゃって…。」
恥ずかしそうに瞳を伏せた薫。
有利もため息をついた。
こんな顔をされては、責められるはずもない。
「まぁ、まぁまぁ、良いじゃない?
僕は一旦、家に帰るよ。」
「え?ああ、村田。わかった。またあとでな。」
そして、村田は去って行った。
勝馬もすでに仕事に行ったようだ。
四人、リビングで朝食をとり、
有利から眞魔国で起こった話を聞いた。
サラレギーとかいう少シマロン王のことや、
円卓会議など…。
かなりないよう盛りだくさんだった。
勝利のいっていたことも、はからずも当たっていたような気もする。
薫は、内心苦笑した。
(今度は帰れるかな…?)
薫はそう思いながら、時計を見た。
時刻は六時。
「あ〜学校だわ。私、帰るわね。」
「わかった。また、帰りにでも寄ってくれよ。」
「うん、村田君とまた来るね。」
(村田と一緒かよ!?いや、まぁ、しょうがないけど)
渋谷は、内心苦い思いで言葉を受けた。
薫は、家まで、ジョギングをして帰った。
―――そう
――――今度こそ、還らなければ…。
無料HPエムペ!