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厨二病
君のファイティングポーズ






あはは,うふふ
おらーっ きゃー あははっ




「……信じらんねえ…」


俺が,今
学校に通ってるなんて
中にはのベンチで,くつろいでるなんて









「なに,言ってるんですか兄上」

アマイモンの目つきが変わる

「ここの生徒になったら,僕と遊べなくなる」
「そうだが,何か文句があるか?」
「っ,ある!」

本気の殺気を向けてくる
奥村燐は困惑顔で,何が起こっているかわかっていないらしい

「何言ってるんだ,アマイモン
その遊びとやらで奥村燐は倒れたのだろう」
「…それでも,イヤです」

そういうと思ってましたよ

「奥村君?燐君?まあなんとお呼びしましょうか,後で決めればいいでしょう
どうです?ここの生徒になりませんか?」
「……ぇ,っと…」
「兄上ぇ!」
「お前は黙っていろ
燐君,どうですかねえ,悪くないと思うのですけれど」

きゅ,と眉が下がる奥村燐
ほう,この辺もやはり弟の方とは違い,人間らしいですね

「でも俺,契約が…」
「契約,ですか」

あんな口約束に近いもの
契約と呼べるものか

「そんなものもう,君が倒れた時点で破れてますよ」
「えっ?」
「だってそうでしょう
今はもう,午前十一時です
君はずっと寝ていたのですから」
「……あっ!」

ほら,
もう三食は作っていない

「この時点で契約は破棄です」
「っそんなの,僕は認めてません」
「……お前は,さっきから五月蠅いんだよ」

傘を軽く振る




ぽんっ





と言う可愛い音とともに,アマイモンが消える

「………えっ!?あ,アマイモン!?」
「大丈夫ですよ
飛ばしただけですから」
「飛ばした…って,え?」


どうして動揺しているんだ
あいつの話では,奥村燐は地の王を理解していると…
てっきり奥村雪男が既に奥村燐にエクソシストについてレクチャーしているから,知っているのかと思いましたが…

この様子じゃあ,違うようですね

「新手のエスカレーターです」
「そうか…ってそこはエレベーターの方がだましやすいんじゃね?」



ぶほぉっ!!









「「…………」」

………思わず吹いてしまいました






こんな会話をアマイモンはずっとしていたワケですね…

「き,気にせずに…
まあ,この理事長室のシステムで,不審者撃退のための捕縛装置並びに襲撃装置ですよ」
「…?,??」

目を丸くさせる奥村燐
どうやら頭の回転はあまりよろしくないようだ
無駄に四字熟語などを使うと混乱するタイプか
まあ,どうやら誤魔化せたようだ


「はい,それで
どうなんです?生徒になりませんか?」
「…でもここ,雪男いるだろ
あいつ絶対怒る」
「あー…きっと大丈夫ですよ
彼は特進科ですし
君は普通科にいたしますよ」
「…お前,生徒全員の名前とか情報,覚えてんのか?」




そうか
いや特に生徒全員覚えてる訳ではなく
注目しているからですが…
まあ彼は学年主席ですし,
そう言えば納得するだろう,と
言おうとしたが







「すげぇんだな」






と,
笑った顔に
胸の端が,震えました

必ず,
転入させる
そう思わせるほどの,何かがあった











というメフィストの想いも知らずに
俺は転入した
普通科の一番下のクラスと言っても
もう授業は一年の四分の三ほど進んでおり
まったくついていけない
周りの生徒もこいつは特別編入だ,てことを察知したらしく
全然近づいてこない

「はあー…あ…」

俺は寮住みになった
つっても雪男に会うとやべえってことで,旧寮に一人暮らし
なんというか
高級料亭の宿屋の清潔さがわかった

今は昼休みで,何人かは外で遊んでいる
意外だな…
進学校だから,堅い奴ばっかだと思ってたけど



あの一週間は
正直,きつかったし苦しかった
料理が好きだと言っても,あれはなかった
手は荒れまくったし,クマもできた

…でも

『……燐』

それでも

『燐,大丈夫ですか?』

そうは言っても,

『…燐,すいません』


傷つききった俺の手のひらを握って,さすって
あいつが心配してくれたから
一週間続けられるくらいには
楽しかった


「…もう,あえないのかなー…」
「だ,だだだだ,誰に?」

びく!!
と,身体が震えるのがわかった
のそのそと,ベンチの下から人が出てくる

「だ,だれだお前!!」
「わ,私?
わ,私は杜山しえみだよ!
普通科の,い,一年生!あ,なたは?」
「………奥村燐
普通科一年だけど」
「そ,そうなんだ!よよよ,よろ,よろしくね!」

ベンチの下から合った女の子は
不覚にも可愛くて,少しだけ胸がきゅんとした






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