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厨二病
落ち込んだ背中にバイバイバイ







「兄上ぇ――――っ!!」

最近めっきりカギを使わなくなった弟が
血相変えてやってきた







「お前…人間にそんなことをやらせていたのか」
「燐はやるって言ったんです…
だから…」

一日十食作る,とは果たしてどれだけ大変なのか
しかもアマイモンは人間の十倍ほどは軽くたいあげる
こいつの食事の世話を一週間も続けられただなんて…
タフな人間ですねえ…

「奥村燐,ですか…」
「?
知ってるんですか?」

客室のベッドに横たわっている,人間
奥村燐
どういう偶然だ
直接見るのは初めてだが
…あまりあっちのほうに似てませんねえ

「とりあえず,その契約とやらは破棄しろ」
「えっ…」

アマイモンの顔が強ばる
…こいつが感情を表す,とは
たった一週間で,なにがあったんだか

「このままでは死ぬぞ,こいつは
なんせ人間なのだから
悪魔落ちさせれば楽だろうが」

ほう,これは我ながら良いアイデアではないか?
悪魔落ち…
サタンの子と噂された人間が悪魔落ちしたらどうなるか,興味はある

「…ダメです」
「…?」

なんだ?
悪魔は,自分の欲に忠実なはずだ
こいつの欲は,食べることではないのか?

「燐は,燐がいいんです
今の燐の料理が食べたいんです」

…こいつ…?






「ん…」
「「!」」

もぞり,
と奥村燐が身じろぎをする

「燐,大丈夫ですか」

なんと
あの,アマイモンが
心配をした?
ありえない,だろう

「燐?」
「…あー…,悪ぃ
倒れちまったかあ,俺…」
「…すみません,燐」

あやま,った?
見かけだけでなく
心からこいつは,謝罪している?

「……い」
「…え?あ,誰?」
「ああ,こっちは,」「おもしろい,ですね君は」

抑えきれず笑いがでる
不思議そうな顔をする奥村燐と無表情だが気味悪がっているであろうアマイモン
それらを無視して,私は笑う

「はっはっはっはっは!
まったく…おもしろい,おもしろいですよ貴方は」
「いや,だから,だれ,」
「私の名はメフィスト・フェレス
メフィストと呼んで下さい
アマイモンの兄であり,聖十字学園の理事長です」
「えっ,聖十字って,てか,え,理事長!?」
「はい,理事長です」

ところで,奥村燐君
と,あまり状況がわかっていないであろう燐君に言う




「貴方は今日から,この学園の生徒となってもらいます」







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あきゅろす。
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