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厨二病
小さくほほえみが見えた







「ん?」


牛乳片手に校内徘徊はさすがに不審者やろか…
とか思いながら、ちょいと窓から外を見る
よたよたと、危なっかしい足取り
不規則に揺れる肩


「どしたんやろか…杜山さんは」






























「?」
「どうした?勝呂」
「や、なんか騒がしなあ思て」
「ん?」


そういえば、さっきから校内がうるさい気がする
どだだだだだだ、という音のあとに
きゃー やら わー やら
どうしたんだ?


「今日何かあんのか?」
「さあなあ
俺もそーゆーんには疎いんや」
「んだ使えねーなあ」
「よしちょいと正座しい」
「仕方ねえなあ」
「なんでするんや!?」


ベンチから降りて、草の上に正座する
うおー久々だ
なんか…キモイな


「これどんな絵づら?」
「不良を屈服させてる絵づら」
「ああ、千円で勘弁してくだせえーっ
みてえな?」
「俺が不良なんかいっ!
顔上げえやホラ」


ははあ、お代官様ぁとでも言うように
地面に頭をすりつける
うおーすんげえ腹立つなこれ
なんかいろいろ言ってっけど、勝呂サン
あなた結構いい気分なんじゃねーのかい
このやろー


「(うなじ丸見えやっちゅーの!)
オイこら…」
「あの」



がちゃっ


と、勝呂の後ろの校舎の窓が開く
条件反射でベンチの下に潜る
や、や、や、やややば、俺すげえええ



「うお、奥村先生」
「す、みませ、勝呂くんっ、はぁ、はっ」
「ものすごいゼェゼェなってますけど
大丈夫ですか?」
「ええ、気にせずっ」


や、大丈夫じゃないだろ
くそ、やっぱ雪男かっ



「っそれより、こ、ここ、誰と一緒にいましたかっ!?」
「え?誰て、そこに土下座してはる…」







指を差すが、そこには誰もいない


あー…………ごめん、勝呂







「……………」
「…………え?土下座?」
「やっ、違うんですよあの」
「や、え、…土下座?」
「ちゃいますって!」
「土下座?土下座してたんですか。というかさせてたんですか」
「いやややや、違いますっ!あれはアイツが勝手にっ」
「いや勝手に土下座って…いやさすがにないでしょう
うわ、ないわー」
「先生っ!?キャラ壊れてますよっ!?
アイツに用があったんですねっ!?」
「や、勝呂君の変た…ごほごほ、変人友達に用はないです見間違いでした」
「先生っちょっ、誤解って、」
「すみませんもう行きますね
邪魔しちゃってすいません、どうぞ呼び戻して続けて下さい」
「オイ聞けやコラァ!!!!」




ばたむ





「…………………アイツ、性格ねじ曲がった?」
「ヒィッ!
てオイこらどーしてくれんねんオイコラァ」
「あ、まだ土下座してた方がいい?」
「天国逝くか、オラ」


ベンチの下から引きずり出される


おーおーあぶねー
つーか雪男のあの言いぐさ
俺がいるってばれた?
なんで?
んー
まあ、一目見ればわかるよな
あーくそ、もっと気をつけよう



「なんやねんお前、急に隠れて」
「やー、ちょっと
アイツ苦手で」



ぱんぱん、と草をはらう


「ん?知り合いやったんか」
「や、やー……

そう!眼鏡アレルギーなんだ」
「全国の眼鏡使用者に土下座せえ」
「それにホクロが合わさったらもう吐き気が…」
「今全人類を敵に回したで」


ふーっ

とベンチに座る
勝呂も座った



「まあ
よーするに奥村先生が苦手なんやな?」
「ああ
って、なんだよ先生って

……………あ、あれか、むっつり塾か」
「むっつりちゃうわ!」
「えー…アイツ先生なの?
すげーな、むっつり度が」
「ちゃうわボケェ!


あん人はな、」




悪魔専門の祓魔師で
ドクターとドラグーン、二つも称号もってて
最年少で祓魔師なって、
あの前聖騎士藤本師朗の息子っちゅう
もの凄いお方なんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!









……………とか、言えるわけないやろ!!





「や、なんでもないわ」
「えー」


ただの眼鏡や!

とか期待してたのに、
と、奥村が両手で眼鏡を作る
ぶは、小学生か、

って、あれ、




「…………ん?」
「ん?」
「あれ、」
「どうした?むっつりじゃなくてスケベか
むしろむっつりスケベか」
「お前ちょい黙れ」




なんか………、あれ?










「いやー
案内してもらえば良かったですねー坊」
「いらん!」














「なんだよ!」













「何でここに来んだよ!」














「あれ…?」











「わいら、藤本さんの弔いしに来たんや」











「勝呂…?」












「…………お前は、なんなんや」














「燐、お前、」



この引っかかりは、
















「………息子だよ」










「奥村先生の、兄弟やろ?」




























































「そうですよ」




と、窓がまた、開いた、











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