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厨二病
そんときは笑ってあげる











「おい,勝呂!!
言えよ!!!」
「あー…しつこいわー」
「なんだよそれっ!!
速く言え!!!」


がくんがくんと坊が揺すられる
あー
あれはきつそうやんなー
しかしまー
坊らしくもない

口を滑らせる,なんて
油断しすぎやろ
はー

つか,塾もう始まってはるよ,時間的に
でもここで言うたら,奥村君着いてきそうやな

それはあかんわ
絶対的に
奥村君無関係やし





「奥村くーん」
「なんだよ!!」
「奥村くん,もうええやないですか」
「もういいって…
お前らが決めることじゃねえ!
俺が知りたいんだ!」
「奥村君,
そうやないんよ」
「なんだよ!」


奥村君が揺すっていた手を急に離す
坊が後ろに倒れて,頭を打ったようだ
うなっている


「奥村くん
俺らな
勉強しにここにいるわけやないねん」
「………ここって……正十字?」
「…せや
いや,坊は勉強もしとるけど
それを主軸においとるわけやない」


学生の本分は勉強
とゆー日本の教育は
こんな不良男子の中にも,しっかり根付いているようで
奥村君は,困惑顔になるばかりや


「………じゃあ,お前ら
なにしに来てるんだよ」



















「決まっとるやろ























出会いを求めて,や!!!」

「………は?」

「奥村くん,学校では勉強するとかあ,友達と仲良くおしゃべり☆とかあありえへんねん
俺ははなあ常に出会いと別れを経験しながら成長し取るんやで?
健全に成長するためにはまずすてきな出会いがないとあかん!!
そのための学校や!そのための塾や!!」

「…………じゃあ,塾って」
「そうや!
なんて言えばええかわからんけど
今の単元は『女の子を笑わせる方法〜step 57〜』や」
「なんだよその不健全な塾は!!」
「大事なことやで!
藤本さんってゆーのは多分この正十字町で最も女の子と喋った回数の多い人やな,うん!

ですよね,坊!!!」


「………………………………………………………………………………………せやな
(きいてて呆れるわー
なんでそないな嘘が思いつくねん
その力をもっと別な所に…)」

「………確かに,親父はたくさんエロ本持ってた」
「せやろ!
そういうことなんや」



下を向く燐君
うーん
やっぱこの嘘,無理あるんかな〜
つーか,これで
俺も通う!
なんて言い出したらどないしよ
うーん
あ,そういえば杜山さんがいうてたな。


「奥村雪男くんも通っててん
(せんせが苦手てきいとったけど,これでええかな?)」
「!!!!
ゆっ雪男も!!??」
「せやせや〜」



うーん,こっちのほうが無理ありますね
せんせが女子とうまく喋る方法なんて習うわけないやないか
というかなんもせんでもあん人はもてもてやしー


「そうなのか…
雪男のやつ,女子と話したかったのか」
「せやよ」



考え込む奥村君
うおー
髪の毛きれーやなあ
ちょっと青みがかってへんか?















「……………………むっつり」
「「………はい?」」




「お前らって,むっつりだったんだな」





























(違うわ,あほ―――!!!!)
(いや大丈夫だ。お前がむっつりだって事は前からわかってた)
(ちゃうわ,おい,逃げんな奥村ぁぁあああああ)
(…………まあ,ええんとちゃう?)


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