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みあげれば空


あの子は夢を描いてた。
私は現実を描いてた。

「空は、いいな」
「どうして?」
「自由でしょ」
「そうかな」
「気分によって雨になるし晴れになる」
「それは科学的に証明されてるよ」
「人は永遠に自由にはなれないよ、空が有る限り」
「自由だよ、空は存在してるだけだから」
「人の気分で天気は変えられないし」
「そうだね。機械があればできるけど、いちいちそんなことは出来ないね」
「あんた、夢ないね」
「よく言われる」
「空、見て見なよ」
「…空、だよ」
「永遠を感じる。羨ましい」
「…感じないよ」
「人間にない“永遠”を空は持ってる」
「…持ってないよ」
「青、綺麗だね」
「そうだね、…綺麗」
「私達の未来の色」
「私の未来はきっとこんなに綺麗じゃないよ」
「…泣かないで」
「泣いてない」
「泣いてる」
「…ほんと、だ…」
「どうして泣いてるの」
「わからない、よ」
「嘘。わかってる」
「知らないよ…っ」
「…いいんだよ」



――夢見たっていいんだよ



あの子は夢を描いてた。
私も一緒に描いてる。


****
親友は彼女を自由に
してあげたかったんです。
現実に縛られる彼女を解放したんです。



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