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ご。あったかい


あー。今日は散々だった。


あの後、メリサさんにはお茶を届けられなかったことを起こられるし。

(彼らに何をされようが任務は全うしろと言われた。…死んでも?)


ヴァリアーなんかのメイドになってしまったし。

変な格好させられて

死にかけて。


…私に明るい未来は在るのか…


じんわり目元に浮かぶ涙を拭く。

そしてまた悲しい事にフランさんと王子くんがどうやら幹部のようです。

メリサさんが様付けて呼んでた。


幹部にはマトモな人間いないのかああぁぁああっ


私はそう心で嘆きつつ、ベッドにぽすりと倒れ込んだ。


…何だか悲しくなってきた。



一人自室にこもりそんな事を考える。

するとコンコンと部屋のドアがノックされた。


私がはーい、と返事をしてベッドから起きあがり
閉めていた鍵を開けようとドアに近づいたら



その前にバキッッという音と共にドアが吹っ飛んだ。




そしてそのドアの前に立っていたのは


髪の毛が赤と緑のマッチョなお兄さん。



え?
誰?


つか知らない人にドア壊されたよ私。

おかしいって。


てか、一番おかしいのはドアが吹っ飛んだってトコだよ!!

ヴァリアーだったら何でも有りなのかコノヤロー。



お兄さんどちら様ですかー?と私が尋ねる前に

「んまぁ―聞いてた通り可愛い子じゃない!!」

と叫ばれハグされキスされた。


あ、ほっぺたに。


でも外人だからって軽―くキスしないで―――っ!

あれ、ていうかこの人女口調で喋った!?

うわぁめっちゃ見られてるよ!?

変態さんですか!?


私が状況に着いて行けず焦っていると

「驚いてる顔も可愛いわー!」

といってお兄さんかお姉さん(、…あ、オカマさん…?)は私を更にキツく抱きしめてきた。


「いいいい痛いです―――っっ」


私がそう叫ぶと

「あら、つい。」

と言って離してくれた。


あら、って。
死ぬかと思ったのに!!

てか、やっぱりオカマさんっぽい。


お兄さんって言わなくて良かった…。

命拾いした…。


「名前は?何て言うの?」

「え?あ、えっと神崎満千流、です」

「ふふ、可愛い名前ね。

私はルッスーリアよ。
ルッスでいいわ。」

よろしくね満千流、と手を差し出されたから握手をした。


めちゃくちゃ痛かった。


私はジンジンと痛む手をさすりながら

「お茶、出します…。」

と涙声で言って台所に引っ込んだ。


む、無茶苦茶だ。

そう思いながら私はお茶をコップにトポトポ注ぐ。


勿論、昼間に買ってきた爽健〇茶を。



ルッスさんにお茶を出したら

「お茶いれるの上手ね―」

と言われたので苦笑いで返す。


何となく歯がゆかった。



ルッスさんがお茶を飲み終わった後に

何となく思っただけなんですが、という前フリの後

「ルッスさんて此処の幹部だったりします?」

と聞いてみた。


何か無茶苦茶だし、異常に強そうだし、ドア壊してたし(、オカマさんだし)、変だし…

とりあえず普通じゃないから、
そうかなーと思っただけなんだけど。

ていうかそうじゃない方が
かな―り嬉しいんだけど。


けれど、そんな私の願いも空しく


アッサリ

「そうよー、よく分かったわねー」

というお答えを頂いてしまった。


誉められたけど、嬉しくない。


というか、と私は続けて思う。

どうしてこんな偉い人がわざわざ私の所に来たのか。


そう尋ねると


「いやーね。そんなの決まってるじゃない。

加齢臭の漂うメイド軍に
ピチピチの若い子が入ったなんて聞いたら

来ざるをえないでしょ?」


だからよー、なんて笑う彼女(彼?)を白い目で見ておいた。

何て度胸があるんだ、私。


いや、ていうか加齢臭って。

失礼だぞー――っ!
と心で叫ぶ。

…そればっかりは流石に行動には表せないけど。


でもね!?

先輩メイドさんは


品があって

礼儀正しくて

何でもそつなくこなして。

優しくて。

素敵で。

ほんっと憧れで。

それも全部年齢と共に重ねられていく経験からだと言うのに!!

それを加齢臭何て言葉で片づけるなんて!!


謝れ――――っっ!


勿論、それは心で訴えるのみ

「あっ…と、そうなん…ですか。

じゃ、…仲良くしましょう。」

沸き上がる怒りを抑えこみ私が社交辞令でペコリと頭を下げると

「んまあ、良い子ねえ。
仲良くしましょうね。」

とルッスさんうふふっと笑っていた。


うふふって。何なんだ。
この人も何か掴めない。


王子くんといい、フランさんといい

幹部は皆そうなのか?
(スクアーロさん除く、ね。ソコ重要だから!)


大丈夫かヴァリアー…。


そんな事を思っている私に構わず
それと、とルッスーリアさんは続ける。


「もしこれから此処で困る事されたら私に言いなさい。


全力で守ってあげるわ。」

嫌がらせ受けたらソイツ殺ってあげるから、遠慮せずに言うのよ!と言って、

物騒な言葉とは対称にうふふ、と笑った。


意外な言葉。

暗殺部隊の幹部なのに。


「…はい。ありがとうござい…ます。」

良い人なのかもしれない、とぼんやり思った。

言葉は物騒だし、やってる事も笑って済ませられる事では無いけれど


心根は、凄く優しい人なのかもしれない。


そんな事を思っていたら、
夜更かしはお肌の大敵だから早く寝るのよ、と言いながら部屋から去ろうとするルッスさんに

私は思わずあの!!、と思わず叫んでいた。

「えと…、わざわざ来ていただいてありがとうございました。

こ、今度は私が遊びに行きますから!!」


その時までには
今日誉めて貰ったあのお茶よりも


もっと美味しいお茶をいれられるようになろう。


私がそう言うとルッスさんは楽しみにしてるわ、と嬉しそうに言ってくれた。

******

ヴァリアー夢第五弾でした!!

これで、ベル、スクアーロ、フラン、ルッスーリアが登場しました。

あ、レヴィさんも最初にちょろっと出ていましたが。

さて、次はあの人が。
レヴィさんも本格的に出ますので。

と、いうわけで
ここまで読んで下さった満千流様、
ありがとうございました。



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あきゅろす。
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