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novel【dream】
お昼寝
「た、助けてくれ!!…うあ゙ぁ!!」

「ゔお゙ぉぉい、弱ぇぞぉ!!」

ファミリーを1つ壊滅させる、という任務を言い渡された。一人一人はかなり弱いのだが数には自信があるらしく、ゴキブリのようにうじゃうじゃ沸いてきやがるからやっかいだった。
ようやく最後の一人をかっ捌き、これで任務終了だ。ブンッと刀を一振りし、鮮血を払い落とした。

早く帰りてぇ。気持ちは逸るものの、敵地はヴァリアー邸からはかなりの距離があり、片道3時間はかかる。はぁー、深いため息が漏れた。

待機させてあった部下の車に乗り込み乱暴にドアを閉める。

「急いでくれぇ」

「はっ、了解しました!!」
あぁ、早く帰って顔が見てぇ。思いっきり抱き締めてぇ。あのサラサラな髪に触れて、ガシガシ頭を撫でてぇ。
なんて考えてたらイライラしてきて、思わず舌打ちしてしまった。
ひぃっ!!と言う小さな悲鳴が聞こえたと思ったらいきなり車のスピードが上がり、いろんな車にぶつかりそうになっている。俺が舌打ちしたから焦ってやがんのかぁ…

「安全運転で頼むぜぇ」

「は、はい!!」



結局アジトに着いたのは敵地を出発してから3時間後のことだった。

任務報告も程々に、アイツが居るであろう談話室のドアを開けた。

「ゔお゙ぉい、今帰ったぜぇ!!」

「……」

「名前居ねぇのかぁ?」

名前ともう一度呼ぼうとした時、すぅすぅという規則正しい寝息が聞こえてきた。音がする方へ向かうと、ソファーで猫のように丸まって寝ている名前の姿があった。

「寝てるのかぁ…」

名前が眠るソファーの前にしゃがみこみ、寝顔を覗きこんだ。幸せそうな顔しやがって。
そっと髪をとかし、頬を撫でた。

「んん……」

起こしちまったかと思ったぜぇ。
報告書を出しに行くため、部屋を出ようと立ち上がった。

「すくぅ…」

立ち上がった俺の隊服の裾を名前が掴んでいた。しかも俺の名前を呼びながら…
やべぇ、めちゃくちゃ可愛いじゃねぇかぁ!!頬が赤くなるのが自分でも分かり、口許に手の甲をあてた。

「もうちょっとここに居るかぁ…」

ソファーに凭れるように床に腰をおろす。
と任務帰りだからだろうか、睡魔が襲い瞼が重くなった。俺は重力には逆らわず、瞼を閉じ眠りについた。










「んん…」

モゾッと名前が起き上がったため、ソファーが動いた。

「起きたのかぁ?」

「うん、スクお帰り」

「ただいま」

「寂しかった…」

「俺もだぁ。会いたかったぜぇ、名前」

ぎゅっと抱きしめ額にキスをすると、名前は頬を赤らめ照れくさそうに微笑んだ。














End



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