春の七草（※現パロ）
小十郎・佐助は大人。政宗・幸村は小学生での現代パロホームドラマ（何？）。
小十郎と政宗、佐助と幸村でそれぞれ暮らしていてお隣さんです。
パロディやキャラ崩壊が大丈夫な方のみお進みくださいm(_ _)m
↓
↓
↓
↓
「芹」
「なずな」
「だいこんのはっぱ！！」
「旦那それスズシロね。んじゃスズナ」
「仏の座」
「……パス」
「……わかりもうさぬ……」
「はこべらでしょ」
「御形、これで春の七草だ」
佐助が米から炊いたお粥に、前の晩に小十郎が刻んだ葉を入れる。
政宗が言うには、何やらぶつぶつと歌を口ずさんでいて、それはそれは不気味だったらしい。不思議に思った佐助が聞いてみると、小十郎の実家の方では、わらべうたを唄いながら七草を刻む風習があるらしい。
「小十郎さんの歌で、厄除けパワーがアップしてるといいねえ」
佐助がくるりと杓文字で混ぜると、純白にグリーンが鮮やかやマーブルを描いたあと、散る。
「でもこれだけじゃ味気ないんだよね〜」
言いながら、佐助は行平をとり出して、少量の水と刻んだネギと鶏肉を入れて火にかけた。
「あ、お節の蒲鉾余ってるー。入れちゃえー」
とことこ、と蒲鉾も刻んで鍋に入れて、中華だしも入れた。
「はーい、旦那たちは食器出してー、お茶用意してー、すぐ食べれるようにしてねー」
「こころえた！」
粥を半分そちらに移しながら指示を出すと、幸村が箸を並べ、政宗は急須に茶葉を入れ、小十郎は土鍋に残っている分の七草粥をよそう。慣れた連携だ。この４人はしょっちゅう一緒に食事をとるので、すっかり勝手がわかっている。
準備が整ったあたりで、佐助がテーブルへとやってきた。片手に行平、片手に鍋敷き。さらに器用に梅干しの載った小皿も持っている。
さっさとテーブルに並べると、４人して席についた。
「いただきますっ」
幸村が大声で元気よく手を合わせる。
塩を少しきかせた粥に刻んだ七草、それだけの粥は清々しい香りだ。
「ごちそうに疲れた胃を休めてあげようってことだっけ」
「あとは昔は冬場に野菜が少なかったから、栄養補給だな」
冷まし冷ましゆっくり食べるものの、男二人に男子二人であっという間に鍋が空になった。
「はい、次のお代わりはこっちにあるよ、たーんとお食べー」
行平の蓋を開けると、さっきまでの清々しくも淡泊なお粥とは違った芳香がたちのぼった。
七草以外にも入れられた鶏肉や蒲鉾で、具沢山になっている。
佐助はお粥をすくうと、４人分を次々についでいった。
「おいひい！」
「うんありがとう、でも旦那、口にもの入れてる時はしゃべっちゃダメ」
「んぐ」
幸村は口を噤むとむぐむぐと咀嚼して嚥下すると、再びにっこりと笑って美味しい！と声をあげた。
普段素直に味を誉めない政宗すら、その幸村に頷いている。
こどもたちの様子を見て、嬉しそうに佐助は微笑んだ。
「七草粥を中華風の味付けにしたことはなかったな……」
大人用として出されたすり下ろしショウガを粥に混ぜながら、小十郎は呟いた。
「うん、七草粥って塩だけでしょ。ちょっと食べる分にはいいけど、飽きるんだよねえ。だから味を変えてボリュームも増やしてみました。まだ若いんだもん、肉もちょっとは食べておかないと。ほら、お粥って消化いいからすぐお腹空くし。お米もこれ２合しかないんだよ？ いっぱい食べてほしいなあ。あ、小十郎さんはおむすび用意してあるから食べてね。会社持っていってもいいようにラップで包んであるから――あ、旦那こぼしてるッ！」
にこにこと答えた佐助は目ざとくスプーンからぽたぽたと粥をこぼした幸村にふきんを掴んで駆け寄る。
その様子は、まさしく、
「……mother……」
「政宗様……」
英語にしてもあまりに簡単すぎて誤魔化せていない。
最近所帯じみてきたことを若干気にしている青年はキラリと目を光らせて振り向いた。
「イイコだね政宗くん。後片づけは任せたよ？」
ふふふふふ、と低い笑いを向けられた政宗は、若干顔色を悪くしながら頷いた。
----
はい、お粥はうちで今朝作った七草粥でござるーｗ
七草を買うのを完全に忘れていたので、うちにあった青い野菜（ネギ・水菜・ほうれん草）をぶち込みました。いいのよ気分だからｗ
中華にするのに、味覇は便利です。はい。
あ、おむすびは作りませんでした。
私が午前中激腹ヘリで「おむすびでも持ってくれば良かったぜ…！」と後悔しまくったので、出来るオカンには準備してもらいましたｗ
しかし、このシリーズにすると従者がメインになるのは何故…！
ああ、風物詩の説明が要るからか！
いっそ「日本風物詩シリーズ」とでも銘打とうかな、この現パロ(笑)
ちなみに冒頭の会話分は、小十郎→政宗→幸村→佐助→小十郎とループしてます。
小十郎と政宗が書き分けられないので漢字とひらがな表記で逃げましたが、政宗になずなを「ペンペン草」と言わせるかで５秒程は悩みましたｗ
［*前へ］［次へ#］
[戻る]
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
