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南瓜と柚子湯(※現パロ)
小十郎・佐助は大人。政宗・幸村は小学生での現代パロホームドラマ(何?)。
小十郎と政宗、佐助と幸村でそれぞれ暮らしていてお隣さんです。

パロディやキャラ崩壊が大丈夫な方のみお進みくださいm(_ _)m






 野菜をこよなく愛する男は、仁王立ち。
「そういうわけで、冬至です」
 その逞しい腕にはゴロゴロと南瓜と柚子。
「……そうだな」
「そうでござるな」
「そうだね」
 こたつでぬくぬくとしながらミカンを食べていた、男の被保護者とそのライバルとさらにその保護者は、なんとも言えない表情で頷いた。
 この男の野菜にかける情熱を三人とも熟知している。
 野菜を手にした場合、下手に茶々を入れない方がいいのだ。
「冬至には南瓜と柚子湯です。さあ準備しましょう!」
 どさどさ、と柚子を政宗の前に積み、空いた片腕で佐助の腕を掴んでこたつから引っ張り出す。
「え、ちょっと! 寒いし!!」
「動けば温もる! 料理してたら暖かくもなる!!」
「そりゃガスとか湯で少しはね……って炬燵に敵うわけないでしょおお!?」
「やかましい! おまえは俺と南瓜の煮付け! 政宗様は真田と柚子湯の用意!!」
 佐助をキッチンに押し込んだ小十郎は、メッシュの袋と俎板、包丁を手に戻ってきて、こたつの天板にどどんと置いた。
「なんだ、この袋」
 よく見ると、排水口に取り付けるストッキングタイプのゴミ袋だ。
「柚子を適当に輪切りにして、その中にお入れください。去年の二の舞いはごめんですからな」
「………」
 去年の柚子湯は、風呂場で政宗と幸村で柚子の投げ合いをして、柚子をぐちゃぐちゃにしてしまったのだった。
 保護者二人から大目玉を食らったことを思い出したらしい幸村が首を竦める。
 ああ、と佐助も思い出したらしくキッチンから顔をしかめた。
「柚子の果肉だの種だの、集めるのが大変だったよねえ……旦那、人様の家で暴れちゃダメだよ」
「そのようなことはせぬ!!」
 がう、と吠え返す幸村に、小十郎は溜め息をもらして、和室の方を見遣った。
 障子には見事な穴が空いている。先ほど出来たばかりのそれは、幸村の手によるものだ。
「まあ……大掃除前で良かったがな……」
「………ゴメンナサイ」
 こたつから出た幸村は、小十郎に向かってぺたりと手をついた。
「柚子は今年は最初から切って、それに入れてください。それなら投げ合いにはならないし、袋ごと投げたとしても後片づけは随分ラクになりますので」
「いや、そんなガキな真似はしねえよ」
 ひらひらと顔の前で政宗は手を振ってみせたが、保護者二人にじとりと一睨みされた。
「……こないだの雪で、真田と二人で泥だらけになって帰ってきたのは」
「そもそも旦那に最初に雪をぶつけたのは」
「どちらさまでしたかな!?」
「………ハイ、スミマセン」
 障子のことで凹んでしまっている幸村の横で、政宗もわずかばかり小さくなると、おもむろに包丁を手にした。
「幸村、俺が切って渡すから、おまえは袋に入れて、口をしばっていけ」
「わかったでござる!」
 政宗から声をかけられて、ひょこんと跳ねるように起き上がり、袋を手にして、いつでも来い、と何故か過剰なまでの気合いを入れた。
 それを見遣った小十郎は佐助のいるキッチンへと戻る。
「……あのさ、小十郎さん」
 佐助は渋面だ。
「うちとそちらと……だけじゃないよね、この量」
 決して狭くないキッチンに山と積まれた南瓜。まるで八百屋のようだ。
「ああ、数件の奥様方に頼まれてるんでな。1階の佐藤さんと岸本さん、3階の田中さんに小林さん、浜田さん、4階の鈴木さん、花田さん、山本さん……」
「ちょっと! 頼まれ過ぎでしょう!?」
 まだまだ数えあげられそうな勢いを止めて、思わず声をあげる。
「だから手が欲しいからおまえを呼んだんだろう」
「何ソレ!?」
 ふざけんじゃないよー、と言いながらも、佐助は包丁を手にすでに南瓜の切り分けに入っている。
 それを見ながら、ニヤリと笑った。

「安心しろ。見返りは各家庭の豪華クリスマスもしくはお節料理のおすそ分けだ」
「俺様頑張る!!」



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タイトルそのまんまやんか!!(セルフツッコミ)

戦国設定でやるとしたら、筆頭が柚子湯準備するわけがないので(侍女の皆様がやってしまうはず)思いつき突発現代設定。
現代幸村に「ござる」とか付けたくなかったんですが、口調が決まらなかったので(げふ)戦国口調そのままやらせていただきました。

…書いてて楽しかった!

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あきゅろす。
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