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おむすびの日(※現パロ){小十佐}
小十郎・佐助は大人。政宗・幸村は小学生での現代パロホームドラマ(何?)。
小十郎と政宗、佐助と幸村でそれぞれ暮らしていてお隣さんです。
でも仲良しなので一緒にごはんとか食べます(笑)

パロディやキャラ崩壊が大丈夫な方のみお進みくださいm(_ _)m










 海苔の佃煮、おかかと梅肉をあえてみたり。鮭のフレークもあったよね。そうそう、こないだ教えてもらったあの肉味噌も使おうかな。
 ふんふん、と鼻歌を歌いながら佐助はキッチンのカウンターに具材を並べていく。
「豪勢だな」
 今朝の収穫物を手にキッチンに入ってきた小十郎はその楽しげな様子にわずかに目を細めた。
「うん、いろんなの作ろうって。小十郎さんあっち行っててね、どれに何が入ってるかはヒミツだから!」
 あっちあっち、とダイニングへと追い出されるままにキッチンを出た小十郎が振り返った時には、佐助はとうに握り飯づくりを再開させている。
「ん? なあに?」
 視線を感じたのか、しゃもじで炊き立てのご飯をすくったままで佐助が声を返してきた。
「おにぎりを楽しそうに作るもんだな、と思ってな」
「そう? ああ、ほら。おむすびってさ、ピクニックとか運動会とか、わりと楽しい時に作るもんじゃない? だからかなあ」
 今まで何度も佐助は作ってきたのだろう。あの小さな子供のために。そこに宿る思い出が楽しいものであるから、今もこうして楽しげにおにぎりを作っているのか。
「……そうか」
 ダイニングに置かれた新聞を広げながら小さくうなずきを返す。それはキッチンの中で忙しく働く佐助には届いていないのかもしれない。しかし、佐助のその楽しげな様子は変わらないから、よしとした。
「ねえ、おむすび、いくつぐらい食べられる?」
「3、4つ……くらいか」
「了解〜」
 ふんふん、と鼻歌を歌いながら佐助は三角のおむすびを作っていく。中に何を入れているかは、見るつもりないが見えないようにして作っている。これが佐助ではなく政宗や幸村ならいたずらに何かとんでもないものを入れたりしそうでこっそり見張っていないといけないが、食べ物を無駄にすることを殊更にいやがる佐助の場合はその心配はない。ただ内緒にしたいという振る舞いが可愛らしく思えるだけだ。
「……そういえば、おむすび、なんだな」
「ん?」
「おにぎりではなくておむすびと言うんだな」
「ああ、うん」
 おむすびもおにぎりも、どちらも同じものだ。自分はこだわりなく使っているが、佐助はずっと「おむすび」と言っていた。
 それがふと気にかかったのだが。
 くすり、と佐助は小さく笑って、皿に出来たばかりのおむすびをのせてこちらへとやってきた。
「なんとなくなんだけどね。おむすび、の方が好きなんだ。『おむすび』の方が『おにぎり』より優しい感じがするでしょ?」
「……よくわからん」
 うーん、と佐助は首を傾げて皿をテーブルに置くと、空になった両手で握り飯を作る時のように、両手を組んでみせた。
「おにぎり、だと、お米がぎゅって握られて固められてるって感じ。おむすびだと、お米どうしがお互いに仲良くしてる感じ?」
「……もっとわからん」
 佐助は今度は逆側に首を傾げて、両手をそれぞれ握り拳にして、それをリズムをつけて開いてみせる。
「ほら、ちっちゃい子の遊びで、『むすんでひらいて』ってあるじゃない? あれ、『にぎってひらいて』だとニュアンス変わんない?」
「……さっぱりわからん」
「……あー…………」
 ぱあ、とひらいた手で額を押さえて、佐助はふるふると首を振った。
「小十郎さんにはこの叙情的なニュアンスは伝わらないんだね……!」
「すまんな」
「……いや、謝られると俺様も困る」
 ふう、と一つ息をついた佐助はそのままくしゃりと髪をかきあげ、そしてにこりと笑ってみせた。
「なんでもいいや、俺様作ったおむすびを美味しく食べてもらえたら」
 どうぞ召し上がれ、と出された皿に、綺麗に形が揃った『おむすび』が並んでいる。
 綺麗なだけではなく、実に美味そうに見えた。
 自分でも作れるが、たかが握り飯がこれほどにご馳走に見えることはない。
 想像しようと思わずとも、このおむすびを嬉しそうに頬張る子供たちの姿が浮かんできた。
(ああ、そうか)
「おまえのつくったむすびが、おまえとそれを食わせてもらうヤツを結んでくれるというわけか」
「なにそれ! 別に俺様、そこまで考えちゃいないよ」
 浮かんだままに呟くと、傍らで佐助が殊更に呆れたような声を出した。
 視線を向けると、つい、とそれから逃れるように顔を背けられる。
「……なんだ照れてるのか」
「違うし!? って、そんなこと言われたら、小十郎さんに食べてもらうのが恥ずかしくなる!」
 そう言って皿を下げようとする佐助よりも早く、おむすびを一つとる。あ、と佐助が声をもらすのと同時に、それにぱくりとかぶりついた。
「……美味いな。流石だ」
「………そりゃドーモ」
「ほう、具はきんぴらごぼうか。俺の好みだな」
「…………うんまあね」
 徐々に佐助の目線が下がり、うつむき加減になる。
 その目の端がわずかに赤みがさしているのに気づいて小さく笑うと、もう!と声を荒げた佐助は再びどん、と皿をテーブルに置いた。
「これ! せっかくだから、食べちゃってよね! 俺様汁物用意するから!」
 言うなり、ぴゅっとキッチンに逃げ込んでいく後ろ姿。
 残されたのは、おむすびと己。
「…………」
 姿を消す直前のうろたえた様子を思い出してこみ上げる笑いをこっそりと噛み殺しつつ、おむすび二つめに手を伸ばした。
 きっと、この中の具も自分好みの何かを仕込んであるのだろう。
(さあ、何が出るか……)
 たかがおにぎり、されどおむすび。
 そのひとつひとつに込められた想いのかけらなりとも無駄にはすまい、とありがたくかぶりついた。


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コジュサスです……蒼紅が出ていない小十郎や佐助を書いたのは初めてでござるあああ!
二人だけにしてみると……なんですこの甘さ。
そして自分で言っていいですか。
佐助が……………… か わ い い よ……orz
受けは男前受けが好みなのに! なんでこんな可愛くなったの!!
そして小十郎がおっさんだ……
コジュサス好きの方……ごめん…なさ……。
た。たぶん、戦国コジュサスはもっと違うものになると思う……!



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