clear 「好きな色? そうだな…透明、かな」 それって、色と言えるの? 「まぁまぁ。そういう雷蔵は?」 僕? 僕は…うーん、空一面の蒼も好きだし 桜の色も綺麗だし… 「じゃあ、全部でいいじゃないか」 それもいいかなぁ。 「うん、だから私は透明が好き」 …どんな色にでも溶け込める、から? 「そう。雷蔵が例え何色でも、私はそれと同じになれる。…自分の色が無いとも言えるけれど」 大丈夫だよ。 「雷蔵?」 三郎がどんな色に紛れ込んでしまっても、僕が 必ず君を見つけ出すから。 「…それは、頼もしいね」 でしょう? でもできれば、僕と同じ色が良いな。その方が探しやすいから。 「……うん。」 (暗にそれは、ずっと傍にいてという意味で。) |