最愛の白。 「……」 「……」 失敗した、と今更に後悔した。 兵助の前で決して豆腐料理を頼んではいけない。なんだ、この痛い程の視線。既に自分の分を平らげてしまった兵助は、ただ一心に此方を見つめている。 (…仕方ない) 「…そんなに欲しいなら 食うか?」 「え!?」 一瞬ぱぁ、と表情を明るくした兵助だったが 直ぐに悲しそうに眉を顰める。 「いや…駄目だ…豆腐は一日一食と決めてるから…」 「はっ? 何だそれ」 「好きだからこそ制限してんの! この一食を味わって食べる満足感というか…!」 「だったらそんな目で見るなぁぁ! 食べ難いんだよもの凄く!」 「……分かった」 何が分かったのかと思えば、兵助は何か痛みに耐えるかの如くぎゅっと目を瞑った。あ、ちょっと可愛い。…いや、そういう問題じゃないのだけれど。 「あぁあ待って! 音! その豆腐が崩れる音!」 「んな音するか! そんなに気になるなら耳でも塞いどけ!」 「……」 本当に耳を塞いだ。しかも何やらぶつぶつと呟いている。 (…あぁ、もう!) かき込むように料理を一気に口の中へ押し込む。味わう暇は無い。…何だこの状況。 「ほら、兵助もういいから!」 「う…?」 若干涙目になりながら恐る恐る目を開ける兵助。すっかり空になったら皿を見、安堵したように息を吐く。 (何だ…この妙な罪悪感…) 「この豆腐馬鹿め…」 「ん? 何か言ったか?」 「何でも…」 (その豆腐への愛の半分でも俺に注いでやってくれ) (え、半分も?) (え) +++ 勢いだけで書き上げた豆腐ネタ。おじゃる丸のプリンは一日一個的なあれです(←) 例の段は特別だったという事で! 豆腐>>>越えられない壁>>>竹谷みたいな(酷) |