許容範囲内。
この学園で最も過酷な委員会は何か。おそらくは会計か体育の二択だろう。徹夜続きで意識が朦朧となる左門や、疲れ切った体でぐったりと横たわる三之助の姿を幾度となく見てきた。その点、自分は作法委員で良かったなぁとしみじみと思う。…やや危険ではあるけれど。
「綾部せんぱーい」
「おや 藤内」
ざくざくと穴を掘る手を止め、先輩が此方へ視線を向ける。
「おや、じゃないですよ! 今日は委員会の日じゃないですか!」
そう、本日は作法委員会の活動日。時間になっても先輩がこないので、こうして俺が呼びに来たのだ。ちなみにこの仕事、さり気なく当番制になっている。
「とにかくみんな待ってますから…」
「あ、」
「え?」
踏み出した左足は、地に着くや否やずるりと安定を失い そのまま体ごと地中へと落ちる。
分かり易く言えば、落とし穴に落ちたのだ。
「だいじょーぶー?」
「うぅ…目印有りませんでしたよね…?」
「ああ、それはさっき掘ったばかりで まだ目印つけてなかったの」
「さいですか…」
油断大敵というやつか。綾部先輩の周囲には常に気を遣おうと改めて思う。
「ほら、藤内」
「…あ」
するりと差し出される、手。
(…そもそも先輩が穴を掘らなければ、こんな事にはなっていないのだけれど)
「…ありがとうございます」
それでも、こうして助けてくれるならば まぁいいかと思ってしまうのだ。
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藤内の話を見たら藤内を書きたくなったんです!(笑) 何だかんだいって委員会はみんな仲良しです。もはや家族!
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