躊躇
「暴れるなよ」
「っ…」
…ああ、
どうしてこんな事になったんだっけ ?
事の起こりはただの学校行事だった。 お嬢さま達と高尾山に登って、それだけの筈だったのだけど。
東宮さんを追って、迷子になって、居る筈もない巨大熊に襲われて。 破天荒な展開には随分慣れたと思っていたけれど、やっぱりそう慣れるものでも無いと痛感した。
怪我を負った僕は 今、こうして虎鉄さんに抱きかかえられている。 何というか、俗に言う"お姫様だっこ"だ。
(変な 感じだな…)
いつもはする側だったけれど、いざ逆の立場になってみるとどうにも恥ずかしくて。
行き場のない手が どうしようもなく空を掴んだ。
(悔しい)
いつもあんな態度ばっかりとるクセに こんな時だけ格好付けて。 偉そうな事なんか、言って。
嫌いなんだ、こんな人。
だから、
…だから、
収まれ 僕の心臓。
+++
どうしようもなくときめいてしまうハヤテが書きたかったんだと思われます。 虎鉄さん限定でハヤテはツンデレだといい。
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