valentine ver山獄
その日は妙にイライラした。
だから 十代目を置いて帰ってきてしまって、 今 この公園に居る。
「…くそっ」
ブランコに揺られながら 悪態をついた。
…誰に?
…多分、自分に。
「…何で、オレは…」
俯きながら どうしようもなく後悔した。
ムカついたり、悔やんだりして、今度は寂しくなってくる。
もう頭ン中ぐちゃぐちゃで、無性にあの名前を呼びたくなって。
「…山、本」
「呼んだか?獄寺」
温い、その声が降ってきた。
「…な…っ、なんでお前…」
「何でって、」
いつものように笑いかけてきて
「心配するだろ?」
ふわっ、と
オレを抱き寄せた。
「…ごめ、ん」
必死にそれだけ言うと、アイツは当たり前のようにこう返した。
いいよ。
オレ、獄寺好きだし。…って。
「…馬鹿みてぇ、」
そんな言葉がさらっと言えるお前も。
そんな言葉で嬉しくなるオレも。
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