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例え君が願わなくとも


「ユウ、ユウってば!ほら早く!」

「急かすな」


見上げれば、辺りは一面の星空。
少し肌寒いけど、ユウと一緒ならどうでも良い。


広い平原のど真ん中に腰掛けると、まるで世界にオレとユウしか居ないみたいで。

すごく 不思議な心地がした。


「ユウ、知ってるさ? 流れ星に願い事を言うと叶うんだって」


無意識に 星を掴むように手を伸ばした。

届くことは決して無いけれど。



「…世界が、平和になりますように。」

「ラビ?」

「流れ星じゃなくても、こんだけ星出てるんなら大丈夫かなって。」


「…お前な、」

「うん、いい加減かもしれないさ」


…それでも、願いを星に託してみたくなったから。


「ユウがあの人に逢えますように。
ユウが幸せでいられますように。
ユウの中に…」

「…少しでもオレの、"ラビ"の記憶が残りますように。」



「…なんで人の事ばっかなんだよ」

「オレらしいっしょ?」

「…馬鹿が。」



--例え君が願わなくとも

ユウの願いは、全部オレの願い。


…最後の願いだけは オレの我が儘だけど、さ。











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