ん …小説
準利
「凖さん好き!俺と付き合って!!」
ドキドキしながら返事を待つ。
自分の顔が赤くなっていくのが分かる。
うつむいたまま顔をあげられない。
「……俺が好きなの?」
凖さんを見ると、無表情のままで。
――――だめかぁ。
準サンの顔を見てそう思った。
でも…
「うん。分かった。」
「……えっ?!」
それって、OKって事だよね…?
夢じゃないよね…
準サンが、俺を恋人にしてくれるなんて!
こうして俺と準サンはめでたくお付き合いを始めたのです。
Love・Love・Love!!@
というのが三ヵ月前の話。
俺と凖さんはずーっと、あま〜いラブラブ生活送ってます!!
――って普通はなるよね。付き合ってるんだもんね。
でも、全然ならないんだ。
…進展が、あったと言えばあった。
手をつないだだけ。
たった、それだけ。
他にもね、部活終わってから一緒に話しながら帰ったりしてるよ。
でも俺が一方的に話しかけてるだけなんだよ?!
「あぁ」とか「うん」とかだけじゃなくて、俺と会話をしてよ準サン!!
昼飯を一緒に屋上で食べる時だって、
…和さんも慎吾さんも迅も山さんも他の皆も一緒ってどういう事?!!
部活で仲がいいの良い事だけどさ、たまには二人っきりでゆっくりしたいよ。
……なにこれ。付き合う前とほとんど変わんないじゃん!!
大体、三ヵ月付き合ってキスもしてないんだよ?
別にキスにこだわる訳じゃないけどさ、いい加減「手をつなぐだけの恋愛ごっこ」は嫌なの!
…だって、これじゃあ俺は只の後輩と同じ扱いじゃん。
俺達付き合ってるんじゃないの?
昼練の時だって、
「準サン!キャッチボールしようよ!!」
「ワリィ、俺和さんとキャッチボールしたいから。」
ひ、酷い…
恋人より和さん優先だなんて…!!
どうして準サンは俺に優しくないんだろう。
なんで何もしてくれないの、何も言ってくれないの?
俺はどうすれば凖さんとラブラブになれるの?
準サンともっとラブラブしたいのにな…。
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