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小咄部屋
09/1/10:島独白
※某炉心をがんばって前向き解釈してみて、それを薄っすらテーマにして話を組み立ててみた。そんなアレです。
曲のイメージを壊したくない方は、ご注意を。結構無茶してます。
誰でもいいんですけど、島の一人称を想定。






人を殺す夢を見た。


カタン、カタン、と電車が走る音が窓の向こうから聞こえてくる。
一人ベットの上に寝転がりながら、ゆっくりと体が沈んでいくようなその感覚に、ため息をついた。

(まさか、こんなことになるなんて。)

人を殺す夢を見た。
あの綺麗な白い首を、ゆっくりと締めていく感覚がいまだ手のひらに残っている。
掌の中でびくびくと喉が震える様が、なんだか酷く、

(淫らだった、なんて、)

もう一度ため息をつき、寝がえりをうって窓から外を見上げる。
段々と赤く染まっていく空。
その赤が眼に痛くて。
だからだろう。
酷く、目が痛い。

(いっそ、死んでくれればいい。)

居なくなってしまえば、きっとこんな気持ち二度と体験しないだろうに。
こんな苦しい。
痛い。
切ない。
その顔を思い浮かべると、甘い痛みが胸を走る。

(こんなの、知りたくなかった。)

段々と空が夜へと変わっていく。
赤も青も黄色も消えて。
全然黒に染められていく、世界。
世界は、これからモノクロへと死んでいくのだ。
嗚呼、

(僕の世界も、死んでいく)

今まで穏やかに信じてこれた、温かな安定した世界が消えていくのを、まざまざと感じた。
その感覚が、酷く生々しい。

(逝かないで。こんなの。こんなの、嫌だ。)

そう小さくつぶやくけれど、世界はほろほろと崩れ去っていくのだ。
そうして始まる世界は、きっと。

(嗚呼、このまま溶けてしまえれば)

声を聞くだけで、
笑顔を見るだけで、
泣き顔を見るだけで、

たった一人のために、あっという間に歪んでしまう世界なんて。

(なんて住みづらい。こんな世界、望んじゃいないない。いない、のに。)

けれど、一気に堕ちていく。
助けを求める様に、ふと宙に両手を伸ばした。
夕暮れの時間、電気もつけずに薄暗くなった部屋に、白い自分の腕だけがうっすらと見える。
一度だけ、ぐっと手を握り締めて。
けれどすぐに、ぱたり、と力無く手を降ろした。

(この手、で)

いっそ死ねばいい。
殺してしまいたい。
そうでなければ、自分が消えて居なくなってしまえばいい。
そして続くこの世界。

なんて、素敵な。



(嗚呼、もう手遅れ。)



恋に、堕ちた。






***
恋に落ちた島。
薄暗い雰囲気になってしまいましたが、要は、
恋をし慣れない人間が恋に落ちて、めっちゃテンパって考えすぎちゃった。
みたいな。曲解テンコ盛り。妄想バンザイ\(^o^)/

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